阪神佐藤輝明内野手(23)はグッと感情を押し殺し、試合後に報道陣と向き合った。「キャンプ、オープン戦調子が良くて、ずっと調子がいいのは無理だと思う。悪いなりにちょっとずつ上げていければ」。4番の意地は見せたが、納得していなかった。

【阪神】長いトンネル抜けられず…逆転負けで開幕5連敗 95年以来球団ワーストタイ記録

3打席凡退で迎えた7点ビハインドの9回1死一、二塁。「自分のスイングを初球からしようと思いました」。コルニエルの速球を仕留め、右前適時打とした。25日開幕ヤクルト戦以来、4試合19打席ぶりのタイムリーがチーム41イニングぶりの適時打。ただ、新4番として始まった22年シーズンは5連敗スタートの泥沼だ。連日歓喜の輪を見せつけられ、悔しさだけが募る。

これで3試合連続安打。5試合で打率2割8分6厘と低調ではないが、爆発力に欠けるのも事実。昨季は開幕2戦目で飛び出した1号アーチも、いまだなし。8回1死二塁では西川の右前打に対し、捕手の頭上をはるかに越える返球をするなど、らしくないプレーもあった。

チーム状況を問われると「まあ、そうっすね…。明日からしっかり勝っていけるようにやっていくだけです」と言った。4番の重圧は「特にないです」とも続けた。重苦しい空気は、豪快なアーチで振り払うしかない。【中野椋】