チーム最年長、糸井嘉男外野手(40)の意地弾は逆転に結びつかなかった。プロ19年目のベテランも味わったことがない、開幕9連敗の屈辱。試合直後には「早く1勝できるように頑張ります」と勝利への飢えがこぼれ出た。

【ニッカン式スコア】3日の巨人-阪神戦詳細スコア

2試合連続の3番起用に応えた。5点を追う6回1死二塁。巨人赤星の135キロを片手で右翼席中段まで運んだ。重苦しい空気を振り払うかのような、豪快な2号2ラン。一時3点差に迫った。「とにかく、なんとしても逆転したいという思いだけ」。気持ちは最後まで切らなかった。

1勝をもぎ取るために、とにかく必死だった。4点差の7回2死満塁の守り。巨人吉川が左翼へふらふらと打球を打ち上げた。40歳がこれに猛ダッシュ。結果的に走者一掃の3点適時二塁打となったが、体を張って後ろにはそらさなかった。

3戦連続安打&打点。2本塁打、9打点はチームトップ。チームが泥沼に沈む中、糸井が頼もしい数字を残し続けている。「何とか勝って流れを変えていけるように最善を尽くしたい」。5日からは今季初の甲子園でDeNA戦。聖地でも先頭に立ち、白星を取りに行く。【中野椋】