阪神はセ・リーグワースト記録を更新していた開幕からの連敗を9で止め、今季初勝利を飾った。

阪神ようやく今季初勝利!9連敗でストップ 西勇輝が完封/DeNA戦ライブ詳細

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長かったトンネルをやっと抜けた。阪神矢野監督は厳しい表情のまま小さくガッツポーズし、グータッチでナインをたたえた。セ・リーグ史上初だった開幕9連敗に終止符。「苦しいスタートになったんで。この1勝で喜んでいいのかなという気持ちと、素直に喜びたい気持ちと…」。4-0快勝にも笑顔はなかった。

10連敗なら野村監督時代の99年以来23年ぶり、球団4度目の2桁連敗だった。流れを変え、背中を押してくれたのは、3万7408人のファンで埋まった満員の甲子園だった。「多くのファンのみなさんが来てくれた。そういう力が僕らのパワーに変わった。ファンのみなさんの『声援で勝たせてやる』という気持ちを、全員で力をもらいました」と感謝した。

1月31日に今季限りでの退任を表明して挑んだシーズン。開幕投手の青柳やガンケルが直前で離脱。中継ぎ陣も整備できず、スアレスの代役として期待したケラーがわずか2試合で失格。不動の3番のはずのマルテが右足コンディション不良で離脱するなど、誤算が続いた。開幕戦のヤクルト戦で7点差を逆転負けしてから9連敗。「いつでも切り替えようと努力している。僕自身、毎日、もう1回、もう1回と言いながらやっている。この世界、結果でしか示せない部分もある」と、もがき苦しんだ。

前日4日、藤原オーナーが今季終了まで指揮を執らせる考えを明言。その総帥が訪れた御前試合で連敗地獄に終止符を打った。矢野監督は「もちろん責任は感じている。だいぶ遅いけど、この1勝がスタートになるように」と懸命に前を向いた。借金8で最下位の現実も受け止めつつ、反攻態勢を整える。【石橋隆雄】

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