ロッテのエンニー・ロメロ投手(31)が今季初勝利を喜んだ。「皆さんと、神様のおかげです」。

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決して望んだ展開ではなかった。登板前日に口にした。「できるだけ球数を少なく投げれば1イニングでも多く投げられるし、そのことによってチームの勝利に貢献できるから」。週最初の火曜日を任される。リリーフの負担減を求められる立場だ。それがこの日は、3回までに62球。2回と3回だけで49球を投じ、そのうち18球がファウルだった。際どいコースのボール球もあった。でもロメロは折れない。

「あのイニングは粘られましたし、相手もそういう感じでやってくるところもありますけど、自分はいい球を投げるという気持ちだけで投げました」

ピンチを乗り越えるたび、ほえた。6回1死、3番近藤に粘られ8球が、一塁線に切れていきそうなライナーに。一塁安田が好捕した。ほえて、パチパチパチと明瞭な音で3度、拍手した。「チームが勝つのが一番大事なので。チームの勝利に貢献するために日本に来ているので」。昨季途中で加入。ドミニカ共和国出身の左腕は、すっかりなじんできた。お立ち台で思いを口にした。

「皆さん本当に僕のことをとても温かく迎えてくれてありがたいです。できれば引退するまで、最後までこのチームでプレーしたいなと思っています」

温かい拍手が札幌ドームに響いた。【金子真仁】