19日からの首位広島との首位攻防3連戦(東京ドーム)で、巨人の新守護神が球史に名を刻む。

ドラフト1位翁田大勢投手(22)はあと1セーブで、巨人の新人初の2ケタセーブを達成。3連戦初戦の21試合目で到達すれば史上2位タイ、同2戦目で史上単独4位、同3戦目で史上6位タイのスピード記録となる。開幕ダッシュを支えた右腕は、17日の阪神戦では地元の兵庫・多可町からの差し入れも力に変え、あこがれの甲子園で9セーブ目を挙げた。広島3連戦で大台に達し、巨人を再び上昇気流に乗せる。

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故郷からの応援を背に、大勢が本拠地で球史に名を刻む。開幕から新守護神に君臨し、ここまで20試合で9セーブ。球界の先輩守護神たちをごぼう抜きするペースで2ケタセーブに王手をかけた。17日の阪神戦では、西脇工時代は県大会で敗れてたどりつけなかった地元・兵庫の甲子園のマウンドを楽しみ、9つめのセーブを手にした。

聖地での初登板前、力をもらう、うれしいサプライズがあった。那覇から甲子園に移動した14日、宿舎に思わぬ差し入れが届いた。差出人は「マイスター工房八千代」の藤原たか子さん。高校の部活引退後から関西国際大入学までお手伝いした兵庫・多可町の実家近く、巻きずしの有名店の施設長だ。詰められていたのは巻きずし100個、おもち100個、コロッケ80個。幼少期から親しんだ思い出の味をかみしめた。

コロナ禍で直接会うことはできなかったが「たくさん食べました。おいしかったです」と、お礼の電話をかけた。これには藤原さんも「声が聞けてうれしかった。今はこういう形くらいでしか応援できないから…。投げている姿も、テレビで見ましたけど、なんだか泣けてきますね」。大きくなった背中にうれしさが込み上げてきた。

4月上旬には2試合連続失点と疲労が見えた時期もあったが、ふるさとの味でパワーを充電。「今まで通りやるべきことはしっかりして、その結果、積み上げていければいい」と平常心を貫く。記録を塗り替え続ける大勢には、節目の2ケタセーブも通過点。剛速球で広島を封じ込め、チームを首位固めへと導く。【小早川宗一郎】