巨人坂本勇人内野手(33)が本拠地でのメモリアル打で4試合ぶりに首位に返り咲いた。3回に広島九里から左中間スタンドに3号先制ソロ。阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスチーフコーチ)が持つ東京ドーム通算安打歴代トップの969安打に並んだ。5回には単独トップとなる安打をマークするなど猛打賞。ドラフト1位の守護神、大勢投手(22)も10セーブ目で球団新人では初の2ケタセーブを達成した。チーム21試合目での到達は史上2位タイのスピード記録。記録ラッシュで首位攻防3連戦の初戦を制した。

【写真たっぷりライブ速報】セ首位攻防戦 巨人―広島

13戦ぶりの1発は師匠の偉大な記録に並ぶ一打になった。3回先頭。坂本は、2ボールから広島九里が投じた真ん中高めの143キロ直球を見逃さなかった。今季3号の先制ソロを左中間スタンドに運んだ。「一振りで仕留めることが出来て良かった」と納得の1発。東京ドーム通算安打でトップだった阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスチーフコーチ)の969安打に並ぶアーチだった。

記念の一打をかみしめるように、自軍ベンチに向けて小さくガッツポーズをつくる。本拠地の温かい拍手を背に、ゆっくりとダイヤモンドを回り、積み重ねた歴史を味わった。5回も九里の143キロ初球を左前打にし、同球場の通算安打数で単独トップに。6回2死でも一塁への内野安打で今季2度目、通算173度目の猛打賞を記録し、通算971安打まで伸ばした。

08年4月1日。中日戦の第1打席で放った右翼への二塁打から始まった、東京ドームでの安打街道。プロ2年目の08年オフから8年間にわたってグアムの自主トレに同行し、慕った阿部コーチの記録を塗り替えた。コツコツと積み重ねた努力の結晶だった。

今季開幕戦は左内腹斜筋筋損傷で欠場。高卒2年目の08年から14年続いていた開幕スタメン出場が止まった。苦難の船出だったが、3戦目には復帰し、4打数4安打と復活。そこからは戦列を離れずスタメンを張り、チームを引っ張ってきた。

プロ16年目でも探究心は衰えない。キャンプ時は若手の頑張りに奮い立った。「若い選手がたくさん良い結果を出しているというのは僕たち中堅、ベテラン選手には良い刺激になって相乗効果が生まれると思う。まだまだ負けられない」。主将としてチーム全体を見回しながら、自身を鼓舞していた。【三須一紀】