開幕から歴史的な低迷を続ける阪神が、まさかの大失態を犯した。

2-1の4回は無死一、二塁と一気に突き放すチャンス。高山のとらえた打球は運悪くライナーで中日の一塁ビシエドのグラブへ。一塁走者の山本も戻れず一気に2死…。甲子園の虎党から、大きなため息が漏れた。

さらに、ここで目を疑う凡ミスが起きた。二塁走者の糸井がアウトカウントを間違え、とぼとぼとベンチに戻ろうとしていた。数秒たって気づいたビシエドから転送され、糸井は大慌てで戻ったがアウト。三重殺が記録された。矢野監督はリクエストしたが、判定は覆らず、表情は失意に満ちていた。阪神が三重殺を食らうのは99年5月27日の中日戦(富山市民)以来。このときは1回表の無死一、二塁から新庄が三ゴロを打ち、三塁(ゴメス)-二塁(立浪)-一塁(山崎)と転送された三重殺だった。

この中日3連戦は、夏の人気シリーズ「ウル虎の夏2022」で着用するサードユニホームを先行で披露するカード。実は、春のお披露目シリーズはここ4年連続で勝ち越してきた(20年はお披露目シリーズなし)。本番の「夏」よりも強い春のラッキーシリーズとして認知されており、ファンの期待も高まっていた。

2回の同点シーンは相手の適時失策。3回の勝ち越し点も敵失がらみでもらった。前回対戦で好投されていた中日の先発勝野は5回途中に負傷降板。阪神を後押しする要素ばかりが続いていた。中盤までに勝負をつけていてもおかしくない展開だった。

▼阪神が三重殺を喫したのは、球団史上11度目。99年5月27日中日戦での新庄剛志の三塁ゴロ以来、23年ぶり。三重殺を食らったチームの白星は、21年8月14日に楽天が西武に勝って以来。阪神では、57年7月24日の広島戦以来65年ぶり。この試合では6回に石垣一夫の左直が三重殺となったが、田宮謙次郎が満塁本塁打を放つなど15-1で大勝。三重殺のショックを吹き飛ばした。

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