ソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が今季初の2試合連発、ともに決勝の4号ソロで連勝に導いた。7回にオリックス近藤から左越えに運んだ。主将の一振りで、球団は2リーグ制となった50年以降でパ・リーグ最速となる通算5000勝に到達。柳田自身は通算打率を3割1分8厘1毛とし、ヤクルト青木を抜いて現役1位、歴代4位に浮上した。

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節目の主役は、やはりこの男だった。1-1の7回2死。新主将の柳田がオリックス3番手の近藤から、左翼ホームランテラス席へ4号ソロ。「少し詰まりましたが、ファンの皆さまの声援が後押ししてくれたと思います。ありがとうございます」。3年ぶりに入場制限なしで迎えたゴールデンウイーク。3万超のファンの思いも乗せて、2戦連続の決勝弾を放った。

「詰まりながら」のアーチの裏にある名門流の猛トレがあった。左肩を痛めてリハビリしていた4月は、新加入の庄嶋大一郎アスレチックトレーナー(27)と二人三脚で体を追い込んだ。「しごかれていました。明治大学ラグビー部直伝のトレーニングをひたすらやっていました。バイク、腹筋、背筋、いろいろやりました。ぶちきついです。庄嶋のおかげです」。元明大ラグビー部トレーナーの庄嶋氏と鍛えたパワーが、詰まった打球をテラス席まで届かせた。

ついにレジェンドの域にも入ってきた。前日3日のオリックス戦で、NPBが定める規定の4000打数に到達し、通算打率ランキングに初めて登場した。この日は初回にも右越え先制二塁打を放ち、4打数2安打。通算3割1分8厘1毛に上げて、ヤクルト青木を抜き、現役トップで歴代4位に浮上した。規格外の本塁打で魅了してきた大砲は、打率でも規格外の数字を残し続けている。

これでチームは2リーグ制導入の50年以降、最速でパ・リーグ通算5000勝に到達。自らのアーチでメモリアルを飾り、「今までの先輩方が積み上げてきたもの。節目というのはうれしい」と喜んだ。藤本監督も「いいところで打ってくれますね。柳田が打てば勝てるというようなね、こういう試合をこれからも作っていければ」と主砲に最敬礼した。【山本大地】

 

○…リチャードが「8番三塁」で今季初先発し、初安打を放った。4回1死で右中間フェンス直撃の安打。ただ、その後は1死一、二塁の二塁走者として三森の中前打で本塁を狙って憤死し「1本打つことができて良かったですが、守備、走塁の部分の細かい部分も詰めていきたい」と反省を忘れなかった。1軍昇格した前日3日は代打で凡退した。

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