広島の救援陣が無安打リレーで新外国人の初白星に花を添えた。勝利の方程式の一角、島内颯太郎投手(25)が2点リードの8回を3人で抑え、6ホールド目を記録した。前回登板の4月28日ヤクルト戦では8回1死一、二塁から救援登板したが1つのアウトも取れず、3失点。悔しさを右腕に乗せ、雪辱した。9回は守護神の栗林良吏投手(25)が四球を出したが、併殺で結果的に3人で抑えて6セーブ目。先発した新外国人ドリュー・アンダーソン投手(28)の来日初勝利をアシストした。

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どよめきは瞬く間に歓声に変わった。7回の攻撃終了後、場内アナウンスが流れた。「ピッチャー、アンダーソンに代わって島内」。出番は2-0の8回だった。打者3人でさっそうと3つのアウトを取り、歓声で迎えられた。

先頭の丸に3球で3ボールとしたが立て直し、カウント3-1から遊飛。ウォーカー、大城と連続三振に仕留め、8回表に「0」を並べた。「3ボールになったのは反省だが、前の投球から吹っ切れる投球になった」。数分前のどよめきを消し去る快投。胸を張った。

どよめいたのは理由がある。アンダーソンはわずか1安打、球数は82球だった。そして島内は前回登板(4月28日)のヤクルト戦で炎上していた。その一戦、中継ぎの火消しを期待され、8回1死一、二塁から救援登板した。だが、3人の打者に対して四球、四球、安打。1つのアウトも取れず降板し、3失点していた。

本人も「ダメだった日は引きずった」という。だが、止まっていては進めない。「早く投げてすっきりさせたいという気持ちはあった」。中6日で巡ってきた出番。それも2点リードの8回を任された。首脳陣の信頼に揺らぎはなかった。「まだこうやって勝ちの場面で使ってもらえているので期待を裏切らないようにという気持ち」。悔しさを右腕に乗せ、巨人打線を封じ込めた。

開幕当初は島内が7回を任されていた。当初の「8回の男」中崎は不振もあり、現在2軍で調整中。「ザキさん(中崎)頼りになってしまって登板が重なっていた。いい投球をしてザキさんと併用して使ってもらえるように自分たちがレベルアップしないといけない」。頼れるセットアッパーが帰ってくるまで、「8回の男」は島内が全うする。【前山慎治】

○…栗林は好守に助けられ、6セーブ目を挙げた。3-0の9回に登板。1死から代打八百板を四球で出したが、続く香月の一、二塁間のライナーに一塁坂倉が横っ跳びで捕球。飛び出した一塁走者もアウトとし、併殺で試合を終えた。「マウンドに上がったら高めに抜けてしまう球ばかりだった。そこはもうちょっと工夫してやらないといけない」。4月24日以来と久々の登板で、次につながる反省を得た。

○…西川が適時二塁打で点差を2点に広げた。1-0の6回1死一塁。メルセデスの高めを右中間に運び、一塁走者上本が一気にホームインした。「ここ最近打ててなかった。1日1日をどう良い状態に持っていくかと考えながらやっている。なんとかつなごうと思った結果。(一塁走者の上本)崇司さんがよく走ってくれた」。直近3戦で2安打と苦しむが、勝負強さは見せた。

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