2位九産大が優勝争いの直接対決に先勝して、逆王手をかけた。

今秋のドラフト候補で最速151キロ右腕、渡辺翔太投手(4年=北九州)が、7回2/3を投げ3失点で、首位九共大に立ちはだかり今季5勝目。強力打線から9三振を奪った。

疲労蓄積から本調子ではなかった。だが、キレのある140キロ台中盤の直球で丁寧にコーナーを突いた。パームボールや、シンカー気味に落ち、ツーシームとスプリットを合わせた「スプリーム」などを織り交ぜて翻弄(ほんろう)。6回まで2安打無失点でしのいだ。

7回にソロを浴びるなど、後半はバテ気味。それでも「最後(4年で)神宮に行けないのは悔しいので、気合を入れた」。6月6日開幕の全日本大学選手権大会出場のため、残った力を絞って8回途中まで踏ん張った。

15日は、勝てば春8連覇がかなう。100球めどだったこの日は112球。連投の可能性も十分ある中で、「明日(15日)は総力戦。連投できるよう調整したい」と、チームのためフル回転を誓った。【菊川光一】

◆渡辺翔太(わたなべ・しょうた)2000年(平12)10月29日、福岡県北九州市生まれ。小3からソフトボールを始める。富野中では硬式の八幡東ボーイズで投手、遊撃手としてプレー。北九州では2年秋からエース。3年夏は北福岡大会4強。九産大では1年春から登板。自己最速151キロを記録した3年春に5勝でMVP。182センチ、88キロ。右投げ右打ち。