スッキリした表情で、オリックス山本由伸投手(23)は戻ってきた。リフレッシュ目的の出場選手登録抹消から中10日でロッテ戦に先発。8回5安打無失点にまとめ、リーグトップタイの4勝目。4月9日以来、約1カ月ぶりにエースが笑った。

「本当に良い時間を過ごせた結果。練習しながら、疲労も取りつつでした。前回、打たれたのもあったので(10日間が)長く感じた部分もありました」

118球の力投を終え、心境を吐露した。3日ソフトバンク戦で柳田に自身初のグランドスラムを浴びるなど、6回途中で自己ワースト7失点。両膝に手をつき、うなだれた。「めっちゃ悪かったわけではないです。少し感覚がズレていってしまったというか…」。4日に出場選手登録を外れ、満足いくまで投球動作をチェック。この日の最速は157キロ。9三振を奪い「納得するボールも何球かあった。どんどん調子を上げたい」と手応えをみせた。

この試合、最終関門は8回1死一、三塁だった。前日13日の8回にスクイズを決めていた3番佐藤都を迎え「もしかしたらあるかな…」と脳裏によぎった。満塁弾で味わった1球の重みも、よみがえった。「しっかり冷静に。とにかく低めを狙って。低めにいけば、いい結果になると思って」。カウント2-0からカーブを投じ、二塁への併殺打に仕留めた。「まさかゲッツーになるとは…本当に助けられました」。山本らしい危機管理能力も光った。

中10日での起用を決めた中嶋監督は「(試合に)あまり力まずに入れたのかな」と目を細めた。吉田正らのコロナ離脱で、戦力は完全にはそろわない。「抜けた穴はみんなでカバーしないといけない。苦しい状況でも、1勝でも多く。(吉田)正尚さん、安達さんらが戻ってきたとき、絶対良い方向にいくと思う」。エース山本の奮闘で4位浮上。潮目を変えた。【真柴健】

○…打線は初回の連打と失策による1得点に終わった。「スミ1」に中嶋監督は「もう打てなかったら守るだけです。それもできなかったら(試合に)出られないだけです!」と苦笑い。これで32試合連続で4得点以下。「いろんなアドバイスを打撃コーチも言ってくれていると思う。ただ、実行していくのは選手なのでね」と奮起を促した。

○…新助っ人ジョー・マッカーシー外野手(28=レンジャーズ3A)があいさつ代わりの来日1号3ランを放った。ヤクルトとの2軍交流戦(杉本商事BS)に「3番DH」で初出場し、3回2死一、二塁の第2打席で市川から右翼席に運んだ。来日2日目で上々のスタートを切った。また、T-岡田は右ふくらはぎの筋損傷から実戦復帰し、9回に1号ソロ。反撃に向けて戦力がそろいつつある。

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