帰ってきた首位打者が、劇的サヨナラ勝利をお膳立てした。肩甲骨の骨挫傷で離脱していた巨人吉川尚輝内野手(27)が、今季初の「3番二塁」で1軍再昇格即スタメン復帰。 2点を追う9回無死一塁では、この日2安打目でつなぎ、中島宏之内野手(39)の逆転サヨナラ打を演出した。巨人は2位に浮上。

    ◇   ◇   ◇

チーム最年長39歳の巨人中島が加入後初のサヨナラ打で試合を決めた。1点を追う9回無死満塁、「ヒーローになったろう」と広島ターリーのチェンジアップを振り抜いた。前進守備の左翼を越える逆転サヨナラの2点適時打。手荒いウオーターシャワーの祝福を浴び「ちょっとビチョビチョになったので早く着替えます」とほおを緩めた。

約20年前の冬、西武時代の高卒1年目から3年目まで、先輩たちと一緒に自主トレを行っていたのが宇都宮清原球場だった。「鮮明には覚えてなかったけど、懐かしいなと」と若き日に思いをはせた。

前夜には名物のギョーザをほおばりパワーも充電。4月27日のDeNA戦での球団史上最年長満塁弾に続き、またも満塁で最高の結果を残した。「たくさんのファンの皆さんの前でヒーローになれて良かったなと思います」と、宇都宮のファンに劇的勝利を届けた。

▼中島が9回に逆転サヨナラ安打。中島のサヨナラ打はオリックス時代の18年9月1日西武戦での逆転サヨナラ本塁打以来、通算8度目(西武で5度、オリックスで2度)。中島は39歳9カ月。巨人の最年長サヨナラ安打は17年相川の41歳0カ月で、中島は年長5位。逆転サヨナラ安打は、前記相川に次いで2番目の年長記録だった。

▼巨人が宇都宮でサヨナラ勝ちするのは、50年3月23日西日本戦以来72年ぶり。この時は今回とは違う宇都宮総合球場で開催され、小松原のサヨナラ打で5-4で勝利した。

【関連記事】巨人ニュース一覧