広島小園海斗内野手(21)が巨人戦(東京ドーム)で2安打を放ち、7試合連続マルチ安打を記録した。球団記録の9試合連続試合複数安打(10年栗原健太)にあと「2」に迫った。5月打率は4割4分と絶好調。3、4月は1割5分7厘と苦しんだが、指揮官は信じて全試合を遊撃でスタメン出場させてきた。調子を上げてきた正遊撃手の恩返しが始まっている。

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快音が止まらない。小園は、2回1死では巨人先発山崎伊にカウント1-2と追い込まれたが、外角低めの決め球フォークに体勢を崩しながら左前にしぶとく落とした。6回無死一、二塁では山崎伊の低めの初球をコンパクトにとらえ、右前適時打。3点差に迫る一打で存在感を見せた。これで7試合連続複数安打だが「あまり気にしていない。今まで打っていなかったのでそれを返していけるように、1日1日やっていけたら」。苦労した背番号51はようやく乗ってきたが慢心はなかった。

山崎伊とはかつても対戦していた。報徳学園時代の1年春。春季兵庫県大会決勝で明石商の右腕と対戦。チームは9回完封した山崎伊から3安打しか放てず、0-8で敗れた。しかしそのうち1本はつい1カ月前、高校に入学した小園が放っていた。「1本だけ安打を打ったのは覚えている」。2学年上のエースから放った1本は今でも鮮明に記憶していた。

佐々岡監督は一時、打率リーグ最下位に沈んでいた小園の起用を続けた。「本人も苦しいだろうが、乗り越えていかないといけない」と期待を込めて。ここまで全42試合を遊撃で先発。球団記録の9試合連続試合安打(10年栗原健太)に迫る7試合連続マルチ安打と期待に応え続けている。「連敗が続いているので、チームが勝てる方向にいけるように打撃、守備をやっていけたら」と小園。チームは引き分けを挟んで3連敗と暗い現状だが、復調した小園が起用の恩を返すべく、バットを振る。【前山慎治】

○…マクブルームは4試合ぶりにマルチ安打を記録した。3点を追う7回2死二塁では、追い込まれながら2球ファウルで粘って、外角低めの直球を右前に運ぶタイムリー。「逆らわずに打つことができました。あそこはシンプルな形で入れましたが、前の打席(1回に得点圏で凡退)で自分の思ってるイメージとは違う形で打ち取られてしまったので、悔しさを晴らせて良かった」。1四球も選び、出塁率はリーグ5位の3割7分5厘となった。

○…床田が2被弾に泣き、5回4失点で2敗目を喫した。2回、ポランコに初球直球を右翼席に先制ソロを浴びると、5回は1死一、二塁からウォーカーに再び初球内角145キロを左翼席に運ばれた。「いいところはほとんどなかったです。野手の方に助けてもらいながら、何とか粘り強く投げたかったですけど」。今季7被本塁打はリーグワースト。チームは引き分けを挟み、3連敗となった。

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