巨人が高卒2年目中山礼都内野手(20)のプロ初適時打初打点で3連勝を決めた。1-1の7回1死二塁。広島九里のチェンジアップを中前にはじき返した。中堅手野間がはじいた隙を見逃さずに二塁に滑り込むと、そのままガッツポーズを決めた。

狙い通りの展開に持ち込んだ。前日18日の試合後、原辰徳監督(63)は「うちのピッチャーもいいピッチャーですけども、相手ピッチャーも非常にいいピッチャーですから、投手戦に持ち込みながら、何とか上回った形で戦いたいというふうに思います」と、にらんでいた。試合は1-1のまま、終盤に進んでいった。

1点が勝負を分けるとみるや、7回守備から指揮官が動いた。打撃好調ながら守備面に不安のあるウォーカーに代え、左翼に立岡を配した。失点を防ぎながら1点をもぎ取りにいく采配で、試合の流れを引き寄せた。直後の7回裏、先頭中島が中前打で出塁すると、次打者大城が犠打。得点圏に走者を進め、中山の値千金の一打を生んだ。

エース菅野は完投勝利まであと2アウトの9回1死一、二塁で降板したが、しっかり試合をつくりハーラートップタイの5勝目。守護神大勢は9回1死満塁のピンチをしのぎ、16セーブ目を挙げた。チームも広島に同一カード3連勝と、投打の歯車がかみ合い始めてきた。

 

▽巨人原監督(中山に)「ひと振りで決められるところに非凡さが見えますね。九里投手から打ったというのが、彼も大きな自信になるのではないでしょうか。何も今、守るものはないし、進んだ道が彼の野球人生のスタートですから。非常に頼もしいところですね」

▽巨人吉川(3回2死一、二塁、同点適時打となる遊撃への内野安打。復帰3試合目で4月21日広島戦以来の打点を記録)「いい所に飛んでくれた。みんながつないでくれたチャンスだったので打てて良かった」

 

▼高卒2年目の中山が7回に決勝打を放ち、プロ初打点をマーク。巨人で高卒2年目以内の野手でV打を記録したのは07、08年坂本以来、14年ぶり。坂本は高卒1年目の07年9月6日中日戦でプロ初安打、初打点が決勝打となり、07年に1度、08年に3度と、2年目までにV打を4度記録した。ちなみに、岡本和は高卒1年目の15年に本塁打を記録したが、初V打は4年目の18年4月1日阪神戦だった。

◆中山礼都(なかやま・らいと)2002年(平14)4月12日、愛知県生まれ。中京大中京では1年夏からベンチ入り。2年秋に明治神宮大会で優勝。20年ドラフト3位で巨人入団。1年目の昨季は2軍で44試合に出場し、51安打、0本塁打、12打点、4盗塁、打率3割9厘。今年5月3日広島戦で1軍デビュー。今季推定年俸610万円。182センチ、82キロ。右投げ左打ち。

 

 

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