青学大、中大、日大の3校三つどもえの最下位争いで、日大が1部残留へ望みをつないだ。

負ければ最下位が決まる。崖っぷちのチームを林拓馬外野手(3年=大垣日大)のバットが救った。1点ビハインドで迎えた7回1死二塁から、3番野村昇太郎外野手(3年=二松学舎大付)の中越えの適時三塁打で同点。続く林拓馬外野手(3年=大垣日大)は「野村が打ってくれたので、絶対にかえしたかった。打球を前に出すことだけを考えて振りました」。中大の速球派・西館勇陽投手(3年=花巻東)に対し、バットを指2本分短く持ち、外角高めの直球をコンパクトにスイング。左越えの適時二塁打とし、逆転に成功した。

イメージ通りの打撃だった。前日、青学大に競り負け全員でグラウンドに戻り練習を行った。林は「中大の投手陣は皆、球が速い。大振りしたらボールに負ける。それに対応できるようにコンパクトに振ることを徹底しました」と明かした。

この日の試合は3打席目まで凡打。「自分のスイングができなかった」と、ベンチ裏でバットを振り、7回の打席に備えた。「汗を流して準備はできていました。速い球に負けないように真っすぐを打っていく」と、狙い澄まして振り抜いた。

林の一打に投手陣も応えた。6回途中からリリーフした杉本幸甚投手(4年)は、同じ大垣日大の出身。「高校時代から頼もしいヤツでした」と後輩の一打に気持ちが入った。「緊張はあったんですが、それ以上にバッターをねじ伏せてやろうとマウンドに立ちました」。力強い投球で、3回1/3を1安打無失点に抑える好救援。粘る中大を退けた。

26日行われる青学大-中大戦で中大が勝つと、3チームが1勝1敗で並ぶため、6月1日から再び同じカードで順位決定戦が行われる。片岡昭吾監督(44)は「何とか勝って、1勝1敗に戻せました。もう1度チャンスがきたので、来週があれば、絶対に勝ちます」と力強く話した。