ソフトバンクの「左ずらり打線」がはまった。打線の組み替えが奏功し、14安打7得点で広島に快勝。藤本博史監督(58)は「今日はよくつながってね、いい形の打線ができたと思います」と、自画自賛で喜んだ。

この日は4番グラシアル、9番甲斐を除いて7人の左バッターを打線に並べた。この日昇格させた明石を早速、スタメンで起用。前カードから1軍合流していた周東も今季初先発。2番には藤本監督が「ジョーカー」と呼び、代打の切り札などで重宝してきた牧原大成内野手を、今季初めて遊撃のポジションに抜てきした。

藤本監督は「点をやらないのも大事やけど、まずは点を取れるオーダーということでね。オール左で何でもできるでしょう。作戦もやりやすい」と話していたが、狙い通りの攻撃を披露した。初回1死満塁から、中村晃が先制打。続く明石が押し出し四球を選び、柳町も適時打。左打者の3人が打点を挙げて、いきなり3点を先行した。

さらには牧原大が2本の適時打を放ち、周東は本盗を成功。グラシアルの1発もあり、多彩な攻撃で広島を圧倒した。敗れた前日26日DeNA戦では12残塁と好機で攻めあぐねただけに、藤本監督は「チャンスで打てなかった分、今日打ってくれましたね、みんなね」と満足そう。今季の交流戦成績も2勝2敗の5分に戻し、パ・リーグの首位楽天に再び1・5差に迫った。【山本大地】

○…4番グラシアルが23試合ぶりとなる中押しの2号ソロを放った。4点リードの5回、先頭で大瀬良のスライダーを右翼席最前列に突き刺した。「自分のスイングで捉えることができたよ。レイがリズムよく投球してくれているので、援護できて良かったよ」。久々の1発に喜びとともに4番としての責任も再確認。「久しぶりにホームランがでて嬉しい。もっともっとチームの力になれるように頑張っていきたいね」と表情を引き締めた。

○…先発レイが7回85球を投げ散発3安打無失点の好投で3勝目を挙げた。「久しぶりの先発だったけど、ストライク先行で思い通りの投球ができた」。4月28日の西武戦(ペイペイドーム)で先発後は志願して中継ぎで3試合に登板。150キロ超の直球と変化球を操り広島打線に三塁を踏ませなかった。「守備にも助けられたし、先に点を取ってくれたので、楽に投げる事ができた。チームの力になれて良かった」と笑顔だった。

○…ソフトバンク藤井が古巣の広島相手に2回無失点の好投を見せた。6点リードの8回に登板し、小園、堂林から三振を奪うなど3人斬り。9回も続投すると、計2回を無安打4奪三振で試合を締めた。20年オフに戦力外となった広島を抑え「いつも通り自分ができることをする、という気持ちでした」と胸を張った。

▽ソフトバンク牧原大(今季初の遊撃で3安打)「ジョーカーと言われるのはうれしい。たまに打てないと『ただの数字やんけ』と言われるので、最後までジョーカーでいられるように頑張りたい。byジョーカー」

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