3連敗でカード負け越しが決まったのに、日本ハム新庄監督は冗舌だった。

チームは阪神青柳を捉えきれず、散発5安打で今季10度目の完封負け。試合後のBIGBOSSは、開口一番、阪神OBで野球解説者の掛布雅之氏の口調をまねて「今日の青柳君はですね、素晴らしかったですねえ」と、おどけた。下手投げの投球術に翻弄(ほんろう)されて、1度も三塁を踏めず。「開幕初日から今日までで、一番手足が出なかった。自分がバッターボックスに入った感覚でも『うわ~、これはタイミング合わせづらいだろうな』って思います」と、脱帽だった。

甲子園は連日の満員御礼。試合前には身に着けていたリストバンドでボールを包み、三塁側の内野スタンドへ投げ入れるファンサービスで場内を沸かせた。一転、試合では見せ場なく敗れ「面白くなかったね。これだけファンのみんなに見に来てもらったのに、塁に出られないんだもん。面白い作戦をすることなく、あっさり終わりました」。悔しそうな表情も、一瞬で気持ちを切り替えるのは、さすが。「ハラハラドキドキする試合が出来て、うちが勝つ。甲子園は1勝2敗で『ありがとうございました!』って終われたら最高」。いつもの笑顔で、5日の“甲子園凱旋(がいせん)勝利”を予告した。【中島宙恵】

○…先発の杉浦は、5回7安打3失点で5敗目。甲子園初勝利は、おあずけとなった。3回まで完全投球も、球威が落ちた4回以降につかまった。「しぶとくつながれた。あそこで、しっかり粘りきる投球が出来ないと、なかなか勝ちにつながらない」と猛省。中盤に突然、崩れる傾向にあり、代え時について新庄監督は「難しいっすね。こっちも勉強していかないと」と、悩ましげだった。

○…福田が7回に3番手で今季初登板し、阪神の上位打線を3者凡退に抑えた。「逃げの投球じゃなくて、攻めて攻めてという投球を意識した」と胸を張った。3日に今季1軍初昇格。不調から再調整となった左のセットアッパー、宮西に代わる活躍が期待される。「(新庄)監督の下でやる初めての公式戦。第一印象は大事だと思って投げたので良かった」と、ホッとしていた。

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