ソフトバンクが中日に終盤に逆転負けを喫し、交流戦の同率首位から陥落した。1点リードで迎えた7回。防御率0点台だった2番手津森が溝脇に逆転の2点三塁打を浴びた。藤本博史監督(58)は「津森で打たれたらしょうがないじゃない。勝ちゲームのパターンで7回いってるわけやから」と責めなかった。

経験の少ないセ・リーグ本拠地の交流戦ならでは打順の巡り合わせも、逆転負けの遠因だった。先発大関が6回まで1失点と好投。特に3回以降は1人の走者も許さず、球数も76球と普段のDH制なら十分に続投できる状況だった。だが、1点リードの7回、2死二塁の好機で打席が回った。

藤本監督は「チャンスやったからね。1点じゃ心細いから、1点取りに行くわね」と代打投入を選択。代わった明石はとらえた鋭いライナーを放ったが、相手守備の正面に飛ぶ中飛に倒れ、追加点を奪えなかった。指揮官は「明石もいい形で打ってくれたけど、ハードラックやったね」と、不運を嘆くしかなかった。

交流戦首位から後退したが、指揮官は交流戦最初のカードとなった敵地でのDeNA3連戦後にも「セ・リーグ、難しいよね」と、采配の難しさを明かしていたが、この日は「こっちはもう勝負いってるわけやから。全然、何の悔いもないですよ」とすがすがしかった。引きずることなく、カード勝ち越しを狙いにいく。【山本大地】

○…ソフトバンク「育成出身」の左腕大関&渡辺の先発バッテリーがまたもゲームメークした。5月28日のホーム広島戦で初コンビを組んで以来2度目の先発出場。大関は初回にAマルティネスのソロで先制を許したが、6回を3安打1失点。3回以降はパーフェクトに抑えた。「調子は良かった。中盤以降は気持ちを込めて、自分らしい投球ができた」。前回2打席連発で沸かせた捕手の渡辺も同点の5回に一時勝ち越しの適時二塁打。「絶対にかえしてやろうと思いました」。津森らリリーフ陣が打たれて白星は逃したが、敗戦の中の大きな収穫だった。

○…パパ周東が通算100盗塁に王手をかけた。7回1死から右前打で出塁すると、続く渡辺の打席で、大台王手の二盗を決めた。5回先頭では右翼線へ三塁打を放ち、2試合連続のマルチ安打。昨年9月の右肩手術を経て、5月末に復帰後は打率4割7分6厘と好調だ。前日3日には第1子の男児が誕生。「写真で見ました。猿みたいでした。かわいい。より一層、頑張らないといけない」と気持ちを新たにしていた。

○…ソフトバンク中村晃外野手が一時同点打となる3試合ぶり安打を放った。1点を追う4回2死一、二塁。高橋宏の外角低めのフォークを左前へ。「2死でのチャンス。やるかやられるかの勝負で割り切って打ちにいくことができました」。前日3日は2度の得点機で凡退しただけに雪辱の一打だった。「追い込まれてから、自分らしい打撃をすることができた」と手応えを明かしたが、逆転負けに笑顔はなかった。

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