今季初めて4番に入った楽天浅村栄斗内野手(31)が、9回に逆転2ランを放った。

敗戦ムード漂う中、豪快なフルスイングで勝利をもぎ取った。チームで唯一全試合出場中。毎日グラウンドで戦っているからこそ、停滞気味のチーム状況に責任を感じ、自身の打撃修正に力を入れてきた。9戦連続安打と状態も上向き。首位奪還へ向けて、チームの背中を強く押した。

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「4連敗」…楽天ファンの頭の中によぎった3文字を、浅村が振り払った。1点を追う9回1死一塁。敗戦までアウト2つと追い込まれた状況で、DeNA山崎の甘く入った140キロツーシームを右中間席へたたき込んだ。三塁を回るとベンチへ向かって右拳を突き出した。「みんな勝ちたいと思ってやっているので、その中で今日は打てて良かった」。ベンチ前で仲間に手荒い祝福で迎えられると、笑みがはじけた。

強い責任感を持つ。5月7日時点では打率3割2分1厘だったが、2週間で2割4分9厘まで落ち込んだ。呼応するようにチームも下降線。11連勝が止まった5月11日から7勝16敗で首位を明け渡した。「ずっと試合に出ている以上、責任はある。自分の状態が悪くなってから連敗がスタートした」。3番が主戦場。チャンスで打席が回ることも多く、フラストレーションがたまっていった。

どうにかしたい。その一心で、打撃の試行錯誤を繰り返している。「言うのは長くなるので省きたいんですけど」と多くは語らないが、現状には手応え。9試合連続安打中と上向きになってきた。「光が見えてきている」。短い言葉に、自然と自信がこもった。

島内が休養のため、今季初めて4番として出場。昨年9月3日以来の“主砲”として、仕事を果たした。9年ぶりの優勝へ向けて、試合後はすぐに切り替え。「いいときも悪いときも一喜一憂しないように。なんとか1試合でも多く貢献したい」。貪欲に結果を求めた。【湯本勝大】

▽楽天川島(6回1死二、三塁で左翼へ2点適時二塁打を放ち、楽天加入後初安打初打点)「ホッとすると同時に次も頑張らないとなぁという気持ち。明日になればまた次のことを考えるので、今日だけで一瞬だけでいいのでホッとさせてください」

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