1軍帰還。広島野村祐輔投手(32)が6日、マツダスタジアムでの先発投手練習に参加した。今季1軍初合流で、10日に「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦(ベルーナドーム)で先発が見込まれる。昨季1軍未勝利に終わった実績者が長い2軍調整を終え、2年ぶりの勝利を目指してマウンドに上がる。

   ◇   ◇   ◇

久しぶりに再会したチームメートとの調整に、自然と表情が緩んだ。球団現役最多77勝の野村が今季初めて1軍に合流した。思わず笑みがこぼれるのは昇格する喜びだけでなく、2軍で過ごしてきた時間が充実していたからだ。今季初登板が予定される10日西武戦で、やってきたすべてを出すだけだ。

「何とかチームに貢献したい気持ちが強い。昨年、それより前も、悔しい思いをしているので、それを晴らしたい。マウンドでしっかり、悔しさを出すわけではないですけど、自分のパフォーマンスを出したい」

1軍マウンドに飢えていた右腕に、ようやく登板機会が巡ってきた。5日にエース大瀬良が「再調整」のため出場選手登録を抹消された。代わって週末のカード初戦先発に白羽の矢が立った。苦しい状況にも「長いシーズンなので、チームも個人も基本に戻ること」の重要性を説く。その姿勢をマウンドで示していく。

チームは3連敗で交流戦前まで6あった貯金はすべてなくなった。1・5ゲームしかなかった1位ヤクルトと差は7・5ゲームまで広がり、リーグ順位は3位のままながら気付けば最下位阪神に4ゲーム差に迫られている。まさに“鬼門”という現実を目の当たりにしながら、交流戦はまだ6試合残す。このままズルズル順位を落としていくのか、踏ん張って上位にしがみつくのか、正念場。「まず暗くならずに、明るく1戦1戦を必死に戦うことが一番だと思う」。今季初1軍のフレッシュな32歳が、チームに新しい風を吹き込む。【前原淳】

○…九里は前回対戦の再現を狙う。9日に先発が見込まれる楽天戦はプロ初完封した19年6月25日以来の登板となる。「前回とは相手のメンバーも変わっている選手もいるので、1人1人と勝負しながらチームが勝てる投球をすることがベストだと思う」。5日には大黒柱大瀬良が離脱となり、投手主将にかかる期待は大きい。「今年は何とか一緒に引っ張っていけるようにという気持ちは強く持っているので、何とか引っ張っていけるようにしたい」。責任とともにマウンドに上がる。

■広島先発予想

7日楽天戦 床田(田中将) 

8日楽天戦 遠藤(辛島) 

9日楽天戦 九里(岸) 

10日西武戦 野村(高橋) 

11日西武戦 森下(松本) 

12日西武戦 アンダーソン(エンス)

※()内は相手先発 

【関連記事】広島ニュース一覧>>