東海大北海道(札幌学生)の先発左腕・渡部雄大投手(4年=東海大甲府)が、大学選手権で史上7人目のノーヒットノーランを達成した。無安打無得点試合は11年の第60回大会6月8日、近大工学部・久保田高弘投手の名桜大戦以来、11年ぶりの快挙で、同大を4強入りした17年以来、5年ぶりの勝利に導いた。

テンポのいい投球で、環太平洋大(中国地区)打線を打ち取っていった。9回は遊ゴロ、投ゴロで2死とすると、フルカウントからの138球目、131キロ直球で見逃し三振。マウンド上で雄たけびを上げると、グラブをパチンとたたいた。

無心で左腕を振った。「何も意識せず、自分ができるピッチングをしようと全力で投げました」と渡部。「春にかけていた面があるので、自分が抑えれば打者が打ってくれると思った」と粘りの投球を続け、先制となる5回の2点適時打を呼び込んだ。この日は日下部憲和監督の70歳の誕生日だった。指揮官は「いやもう本当に、自分の人生においてこんなに素晴らしいことはないですね。こんなに投げてくれるとは。想像以上の内容でした」と最高の誕生日プレゼントを喜んだ。