東日本国際大(南東北)は初の決勝進出を逃した。亜大(東都)に1-3で惜敗。上崎彰吾外野手(4年=青森山田)が大会新記録の4試合連続本塁打を放ち、巨人原辰徳監督(東海大)やロッテ井口資仁監督(青学大)らが打ち立てた1大会最多3本塁打を更新した。この日は本塁打含む4打数3安打1打点。通算は16打数11安打11打点とし、大会最多12安打にも迫った。投手陣は4人の継投で3失点と踏ん張るも、打線がつながらず。初めて準決勝に進んだ07年に続いて4強の壁を越えられなかった。

上崎が史上初の4試合連続本塁打を確信弾で決めた。0-1の2回無死走者なし、1ストライクから内角高めの131キロスライダーを捉えた。「打った瞬間に行ったと思いました」と右翼席へ軽々と同点ソロ。1大会最多本塁打記録の3本も塗り替えた。ダイヤモンドを周回し、ベンチで出迎えた藤木豊監督(56)とグータッチ。ナインの祝福にも応え、最後はダブルピースで喜びを表現した。

1大会4発で新記録を樹立も充実感はない。「亜細亜大さんに負けたのが結構悔しいです」。最終打席となった1-3の9回2死二塁、1発が出れば同点だったが、二ゴロに倒れてゲームセット。「本当は決めたかったが、どうしても力が入ってしまった」。1、2球と甘い球を見逃して「そこで自分の負けだと思いました」。それでも今大会は打率6割8分8厘、4本塁打、11打点と打ちまくった。

上崎は昨年12月、同じ青森山田出身の赤平竜太主将(4年)、佐々木優征外野手(3年)と母校の合宿に参加し、後輩たちの練習を手伝ったという。青森山田は開催中の東北大会で4強入り。同校の兜森崇朗監督(42)は「一緒に練習した選手ですし、ちょっと年齢は離れていますが、スポーツ紙で大きく取り上げられたのをバスの中で回し読みしていました」。上崎は9日の準々決勝・大商大(関西6大学)戦で3戦連発。その快挙は後輩たちの大きな刺激になっている。

上崎の新記録を指揮官はたたえる。東日本国際大の藤木監督は「歴代の原さんや井口君とかを超えて新記録でしょ。大したもんです。本当にものの見事です」。次の全国舞台は11月の明治神宮大会。「上崎の上を行くバッターを育てて帰ってきます」。今大会のチーム本塁打は7本。鍛えてきた打撃力の成果を示した。強打をさらに進化させた東日本国際大が、神宮球場で猛威を振るう。【山田愛斗】

東日本国際大・赤平竜太主将(4年=青森山田、準決勝で敗退)「毎日毎日、東京で勝てるチーム作りをしてきたが、『自分もまだまだやれるな』と後悔の残る大会になってしまった」