エースが戻る-。広島大瀬良大地投手(30)が14日、マツダスタジアムでの投手指名練習に合流した。5日に、出場選手登録を抹消され、2軍調整期間は3度のブルペン入りなどで状態向上を図ってきた。チームは交流戦を開催3年連続の最下位で終えた。その間大瀬良も2戦0勝2敗と苦しんだ。復帰マウンドはリーグ戦再開となる17日ヤクルト戦(神宮)の予定。チームに再び勢いをもたらすべく、交流戦優勝チームを封じる。

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小雨降る本拠地、マツダスタジアム。先発投手陣の調整に大瀬良が戻ってきた。キャッチボールや遠投、ダッシュなど数週間前と変わりない調整で“復帰”した。約1週間2軍で調整を行い、「(試合で)投げて結果を出さないといい調整だったとは言えないが、やりたいこと、やるべきことはできた」。充実した調整の裏返しか、時折笑顔も見せていた。

交流戦は2戦に先発したが、計10回で9失点と苦しみ、5日に出場選手登録を抹消された。佐々岡監督からは「真っすぐの強さや精度(を求めて)。しっかりやってきてくれ」と課題を与えられた。不調に陥った原因は「内緒」と笑ったが、映像を見返す中で「投球フォームが崩れている部分があった」と明かした。その上で「体のコンディショニング、フォーム、練習量、トレーニングエクササイズ、すべての方向に向き合ってやってきた」。2軍期間中は3度のブルペン入り。多い日には100球近く投げ込んだ。

復帰予定となる17日の相手は交流戦の覇者ヤクルト。「状態も良さそう。上にいるチームに勝つとチームの流れも良くなるし、勢いもつく。リーグ再開の一発目。しっかり頑張りたい」。強敵相手に気を引き締めたが、神宮でのヤクルト戦は過去16戦8勝負けなしと好相性。「そういう数字は悪いことではない。(相性に)乗って、いい投球をできれば」。大事な3連戦の先陣を切る。

さらに登板予定の17日は、自身31歳の誕生日。プロ9年目で初のバースデー登板となるが「自分の状況的に気にしている状況ではない。任された登板を勝てるように」と、目先の勝利を最優先におく。

4年連続開幕投手を務めた今季は、自身の勝利から開幕6連勝をけん引した。「1年やっているとこういう(苦しい)時期もある。そういうときこそ力を合わせて支えてやっていきたい」。頼れるエースの復活登板で、交流戦最下位に沈んだチームに再び流れを寄せる。【前山慎治】

 

▽広島横山投手コーチ(投手練習に合流した大瀬良について)「予定通り。明日(15日)ブルペンに入るので、そこでまたしっかり(状態を)見たい」