阪神は広島に対して未勝利の8連敗(1分け挟む)になった。先発西勇輝投手(31)が粘り切れずに5失点。絶好調の大山悠輔内野手(27)が7回に18号2ラン、9回に適時打中前打と全3打点をたたき出したが、2点届かなかった。

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広島の怪だ。もうすぐ夏本番を迎えようかというのに、まだコイから白星を奪えない。開幕から広島に1分けを挟んで8連敗。一刻も早く初勝利を…。そう問われた矢野監督は険しい表情のまま、「もちろん」とうなずくしかなかった。

2-5で迎えた9回は守護神栗林から大山が適時打を放ち、なお無死一、二塁の絶好機で盛り上がった。だが糸原が中飛。続く代打の糸井も空振り三振、ロハスも遊ゴロと続かずマツダスタジアムの虎ファンはため息吐息。広島と入れ替わり、再び4位に後退した。

天敵を攻略できない。前回対戦で完封を食らった左腕床田を相手に再び沈黙が続いた。7回に大山が2ランを放つまで3安打無得点で、得点の雰囲気すらなかった。指揮官も「球種も多いからなあ。どっちかというと変化球で追い込んで最後まっすぐというパターンが多いと思う。それだけ絞りにくいのは絞りにくい」とうなった。これで床田には今季3戦3敗。昨季から1勝6敗と、見たくもない天敵になりつつある。

時計の針を戻せば崩すきっかけはあった。4回に先頭島田がチーム初ヒットとなる左前打を放った。ところが続く中野が初球にセーフティーバントを試みたが打ち上げて一飛。細かなミスもあって、リズムに乗せてしまったのも事実だ。終盤に反発力で意地を見せはしたが、なかなか塁に走者がたまらない。結局得点は終盤の大山の2ラン&適時打による3打点だけ。矢野監督も「まあ、もちろんもっと早く何とかしたいところもある」とエンジンのかかりが遅い打線を嘆いた。広島との9戦は1試合最高3点しか取れていない低調さも勝てない要因だろう。

交流戦は12勝6敗と大勝ちしたが、再開リーグ戦は2連勝後2連敗。4位ながら最下位DeNAとも0差になった。このまま広島を苦手にするようでは、上位進出も遠のく。【桝井聡】

▼阪神が広島に敗れ、これでこのカードは開幕から1分けをはさんで8連敗となった。同一カードに開幕から8連敗は、88年4月8日~6月9日にかけて広島に10連敗して以来。球団ワースト2位の記録となった。このときの広島戦初勝利は7月5日だった。

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