阪神湯浅京己投手(22)の両親が、息子の初勝利に涙し、喜んだ。

三重・尾鷲市で精肉店を営む父栄一さん(50)、母衣子さん(50)は実家でテレビ観戦。記念の1日を画面越しに見届け、「本当にうれしい。おめでとう!」と口をそろえた。

栄一さんは法大野球部出身。幼少期から息子の練習に付き合ってきた。「昔から負けず嫌い。納得いくまで練習は終わりませんでしたから。今もその気持ちは持っていると思う」。チームの勝敗を背負うセットアッパーのポジション。父との特訓の日々が、強いハートの原点だ。

衣子さんはウイニングボールの到着を心待ちにした。独立リーグBC富山時代の初勝利の記念球は実家にある。18年5月20日。偶然にも衣子さんの誕生日に観戦に訪れ、息子は勝った。試合後に直接手渡された記念球以来の、思い出の1球がまた増える。

「ヒーローインタビューで話しているのを見たら、リハビリ期間のことが頭によぎって…」と涙で言葉に詰まり、「普段は人前で泣かない子だから、我慢してたんじゃないかな」と息子を思った。

実は、両親は今季4度、甲子園に観戦に訪れている。ただ、19日DeNA戦(甲子園)では3失点を喫し、両親の前で負け投手になっていた。それ以来の甲子園のマウンドでリベンジ成功。最高の親孝行を果たした。