甲子園男や! 阪神伊藤将司投手(26)が8回9安打無失点の好投で、昨年から続く本拠地での連勝を「7」に伸ばした。「ホームなので、自分自身負けたくない気持ちもあるので、そういうところから来ているんじゃないかな」。虎党の声援に支えられ、2年目左腕は今季4勝目を挙げた。

毎回走者を背負う苦しい展開で、「師匠」の教えが生きた。4点リードの3回2死二、三塁のピンチ。6番三ツ俣にフルカウントからフォークを投じ、空振り三振を奪った。「ピンチの場面でしっかりああいう球を投げられたら失点しにくくもなりますし、投げきれたのはよかった」。1月の合同自主トレでオリックス能見から伝授された新球だ。シーズンで実際には数えるほどしか使わなかったが、練習で磨きをかけていた。今後の本格使用へ手応えをつかむ1球になった。中日打線は右打ちの野手を5人並べたが、強気の内角攻めも光った。9安打を許しながらも本塁を踏ませなかった。

昨年は9月に勝てない時期があるなど、夏場に苦しんだ。「夏はすごくよくなかったので、今年は昨年経験したことを繰り返さないように」と体調管理を見直した。2月の春季キャンプや、雨の日でも常に半袖でマウンドに上がる左腕だが、部屋の空調は徹底管理。「温度を下げすぎず、27度くらいです」。体を冷やさず、パフォーマンス維持に努めている。

前回18日のDeNA戦は1失点完投。この日も8回まで投げた。打っては、2つの犠打を決め、4回2死満塁では右前に2点タイムリー。「自分でもすごくいい打撃ができたな」と納得の表情を見せた。体力面でも昨年からの成長を感じさせた。

これで中日には昨季から無傷の3連勝と「キラー」になりつつある。「相性はいいなと思います。でも相手も対策してくると思うので、自分も今日のビデオを見返しながら、次の登板へ準備したい」。次週は敵地での再戦が確実。6月は4戦3勝の左腕が、チームを浮上させる。【三宅ひとみ】

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