強すぎヤ! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、決勝26号3ランを放ち、チームを12カード連続の勝ち越しに導いた。

同点の8回、巨人平内の3球目をバックスクリーンに突き刺した。2位巨人を相手に、最大4点のビハインドも、粘り強く食い下がってチーム一丸での逆転勝利。史上初となる6月の優勝マジック点灯の可能性を残した。

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最高気温36・2度を記録した都心の熱気をも打ち払うアツい一撃だ。8-8の8回1死一、三塁。村上のバットが平内のカットボールを捉えた瞬間、2万5540人の観衆の歓声とため息が交錯した。3試合で両軍合わせ18本塁打が飛び交った「神宮花火大会」。大トリを務めた主砲は、お立ち台で「ほんと、ほっとしてますし、疲れました」と正直な心境を吐露した。

ミスを取り返す1発でもあった。1回、巨人増田陸の打球を落球。この回3失点につながっただけに「しょうもないエラーをしてしまったんで、それをなんとか取り返したい思いで打席に立っていた」という。決勝弾の8回は、無死一、二塁から前を打つ山田が進塁打(一ゴロ)。「哲人さんが右打ちしてくれて楽に打席に立たせてくれたので、そのおかげです。ありがとうございます」と感謝した。

カード初戦を16-6で快勝も、翌25日は5-19の今季ワースト失点で大敗。大味なゲームが続いただけに、勝負の3戦目を接戦でものにした意味は大きい。高津監督は「内容としてはけっしてほめられたものじゃない」としながらも、「こういう難しい展開、最後ムネが1発で決めましたけど、つないで最後まで競ったゲームをして取れたところはよく頑張ったと思います」とうなずいた。

これで交流戦を挟み全11球団に連続カード勝ち越し。村上は「目の前の試合をしっかり戦えてるので、その結果として11球団連続勝ち越しすることができて、すごく誇りに思いますし、まだまだ記録を伸ばしていきたい」。この日の3打点で71試合目にして71打点に到達。26本塁打とあわせ両リーグ1位を独走する。最短で優勝マジックは29日に点灯する。これからも目の前の勝利につながる一本を積み重ね、首位街道を切り開いていく。【鈴木正章】

▼マジックメモ 阪神、中日に次いで巨人の自力Vが消滅。広島、DeNAの自力Vもそれぞれ29日に消滅する可能性があり、ヤクルトの優勝マジック点灯は最短29日。過去の最短M点灯日は65年南海の7月6日。6月中に点灯すれば史上初となる。

○…長岡が一時逆転の4号3ランを放った。3回、3点を返して1点差に迫り、なお2死一、三塁。巨人今村の3球目を右翼席へ運んだ。24日同戦以来の1発で試合の流れを引き戻し「先輩方がつないでくれたので、その流れを切るわけにはいかないと思いながら打席に入りました。最高の結果になってくれました」と喜んだ。

○…この日支配下登録された小沢が初登板し、4回を3安打6奪三振2失点と力投した。4点差を追う3回無死満塁、新背番「70」のユニホームが間に合わず「014」のままマウンドへ上がり、この回を無失点にしのいだ。「割り切ってドンドン勝負していこうと思った。最終的に追いつかれたけど逆転は許さなかったので良かった。もっと活躍出来るように頑張りたいと思います」と振り返った。

▽ヤクルト青木(初回の適時打を含む3安打2打点)「相手に流れを完全に渡さないためにも、1点を返すことが大事だと思うので。すぐに反撃が出来て良かった」

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