西武が57年ぶりの「継投力」で、今季初の5連勝を飾った。先発エンスが5回に打球が左足に直撃して降板も、森友哉捕手(26)が打っては3打点、守っても好リードで5投手を引っ張り、2失点にとどめた。

これで12試合連続3失点以下とし、球団では西鉄時代の65年以来、57年ぶりの記録をマーク。12球団トップのチーム防御率で白星を重ねて貯金は今季最多4。ゲームのなかった首位ソフトバンクにジワリと2・5ゲーム差に迫った。

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バットで先手を打てば、リードで勝負に出られる。森は初回無死二、三塁から、左前への2点適時打で先制点を奪った。直後の2回から、先発エンスを好リード。無安打投球が始まった。「自分らしさは意識してリードするようにしている」。最速151キロの直球で攻め、打ち気のクリーンアップはカットボールで芯を外す。5回2死で清宮の投手強襲の打球がエンスの左すねに直撃も、こぼれ球をしっかりカバーし、好送球で一塁アウト。13者連続凡打に抑えた。

投手が安定すれば、バットに勢いが生まれる。3回には、右中間を破る適時二塁打で3打点目。6回は先頭で三塁打を放ち、これを皮切りに2点を奪った。好守と巧打の連鎖。その中心でかじ取り役を担うのが、森だ。5月24日に右手人さし指の骨折から復帰後は低空飛行が続いたが、この日は今季初の猛打賞で3打点。自身初のサイクル安打がかかった8回の打席は「ホームランを狙ってフォーム崩すのも嫌。自分のフォームでヒットを打つことが求められている」と堂々と四球を選んだ。

5人の継投で2失点に抑える好リード。これで12試合連続3失点以下とし、球団では57年ぶりの記録となった。その要因に、森は制球力を挙げる。「去年に比べて四球の数が圧倒的に少ないと思う。そういった意味で、しっかりバッターと勝負できているな、って感じます」。実際に1試合平均与四球が昨季の4・2に対し、今季はここまで3。1個以上減少しており、確実に投手力はアップしている。

チームはこれで今季初の5連勝。貯金4も今季最多となった。首位ソフトバンクに2・5ゲーム差に迫り、2位楽天には1・5差と勢いは増すばかり。森は「もっともっと、チームに貢献して、優勝を狙える位置にいるので、優勝目指して頑張ります」。お立ち台で高らかに宣言した。【栗田成芳】

西武豊田投手コーチ(12試合連続3失点以下に封じ)「自分たちが目標をかかげてきている中で、3失点以内の試合というのは(目標に)入っています。そういう意識を持ちながらやっていくことは大変すてきなことだと思います」

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