根尾にひねられた。阪神が中日ブルペン陣の8人継投を攻略できず、4連敗を喫した。相手エースの大野雄大投手(33)が先発回避したが、拙攻で1得点だけ。5回2死一、二塁の好機では、根尾昂投手(22)に封じられプロ初ホールドを献上。中日に1ゲーム差に迫られ、再び最下位転落の危機に直面した。

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阪神が再び得点力不足に苦しんだ。象徴的な場面は1点を追う5回2死一、二塁。3番近本を迎えると、中日は5番手で根尾を投入。バンテリンドームが騒然とする中、近本は3球目の高め151キロにバットを止めるようにして三遊間へゴロを飛ばした。抜ければ同点も三塁手高橋周が飛びつく好守に阻まれた。根尾は打者1人のワンポイント。投手に転向したばかりの元甲子園優勝右腕に、プロ初ホールドを献上した。

最下位チームに敗れ、4連敗。矢野燿大監督は嘆いた。「ちょっとかみ合わないというかね、走者が出てからかえせないというところが続いている。積極的にはいけているけど」。先発予定だったエースの大野雄が背中の張りで先発回避。急きょ相手は「ブルペンデー」で臨まざるを得なくなり、有利になるかと思われたが、6安打、7四死球と走者は出しても、拙攻続きで残塁は「11」を数えた。

5番大山が急降下が心配だ。4打席無安打。2度の得点機ではいずれも中飛に倒れた。6月は絶好調で、チーム浮上の原動力となったが、ここ4試合で15打数1安打と、快音が聞かれない。中野、島田の1、2番コンビも無安打。8回に糸原の適時打で一時は同点に追い付いたが、打線に勢いはなかった。9回には抑えのR・マルティネスが登板し、相手ブルペンは森だけ。矢野監督が「向こうは投手をすごくつぎ込んできていたので、追いつけばおもしろいっていうのは分かっていた」と話したが、後の祭りだ。

今季12試合予定されているバンテリンドームで1勝6敗となり、早くも敵地での勝ち越しはなくなった。7試合で8得点。最下位中日に1差に迫られた。息を吹き返したかに見えた矢野阪神が、再び最下位転落の窮地に立たされた。【石橋隆雄】