日本野球機構(NPB)と全日本野球協会(BFJ)は4日、野球伝来150年プロアマ記念試合「U23NPB選抜対大学・社会人選抜」(神宮、8月1日午後6時開始)の出場48選手を発表した。監督は、NPB選抜は侍ジャパン栗山英樹監督(61)、大学・社会人選抜は社会人日本代表の石井章夫監督(57)が務める。

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【解説】

栗山監督にとって、昨年12月の侍ジャパン監督就任後、初の実戦となる。本来は3月に2試合予定されていた台湾との強化試合が初陣だったが、新型コロナにより中止。今回は日本代表とは異なるが、23歳以下(新人は全員対象)の世代選抜。コーチ陣との連携も含め、代表監督としての初采配に注目したい。

各球団2人ずつ計24人には、栗山監督の意向が反映されている。記念試合の指揮官が未定だった当初は、2軍選手が中心だったという。だが、指揮が決まった後、栗山監督は各球団に候補を打診。将来有望であるだけでなく、既に1軍で活躍している選手も含まれた。シーズン中のため、先発投手は選出困難だが、中日根尾、広島中村奨、ロッテ安田、日本ハム清宮ら1軍選手の参加も決まった。

栗山監督が、それだけの選手をそろえたかったのは、来春のWBCを見据えてのこと。近くプロ野球の公式戦視察を開始するが、来春の代表メンバーについては、今なお「自分の中では白紙」と話す。もちろん、ポジションごとに候補になりそうな選手のリストは頭にある。ただ「野球界全体が世代交代に来ている」と感じており、「無難な選考では勝ちきれないのではないか。若い人とか、何かプラス・アルファがないと勝たないだろう」という思いも抱いている。

今回の24人の中から、そのプラス・アルファが出て来ることを期待しているはずだ。さらに言えば、大学・社会人選抜にも「すごく楽しみ。プロと戦った時、どういう感じなのか」と期待する。先入観は持たない主義。記念試合も、3大会ぶりの世界一奪回へのステップとする。【侍ジャパン担当=古川真弥】