プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)は21日、オーナー会議を開き、元経団連会長で現在は関西電力の取締役会長を務める榊原定征氏(79)を15代となる次期コミッショナーに内定した。まずは8月8日付でNPB顧問に就任。新コミッショナーとしては11月のオーナー会議で正式決定し、12月5日に就任する。

榊原氏は東レで社長・会長を務めた。東京証券取引所出身の斉藤惇コミッショナー(82)に続き、ビジネス界出身となる。斉藤コミッショナーが昨年11月、内々に退任の意向を表明。コミッショナー選考委員会が設置され、水面下で13人の候補が挙がった。行政や司法の人物もいたが、オーナー会議議長の巨人山口オーナーは「次期コミッショナーに期待する役割を議論した。NPBの事業拡張に取り組むことが重要ではないかという意見が大勢を占め、企業経営の経験豊富な方が望ましいとなった」と説明。コロナ禍で侍ジャパン事業を扱うNPBエンタープライズは昨年、5億4100万円の赤字だった。

元東レ役員の小泉慎一(74)倉持修祥(65)両氏もNPB入りし新コミッショナーを支える。事務局強化も図り、プロ野球界のかじ取りを託す。【古川真弥】

◆榊原定征(さかきばら・さだゆき)1943年(昭18)3月22日生まれ、神奈川県横須賀市出身。名大大学院工学研究科卒。67年に東洋レーヨン(現東レ)入社。同社では02年から代表取締役社長、10~15年5月まで代表取締役会長。14年6月には日本経済団体連合会の第4代会長に就任し、4年務めた(現在は名誉会長)。20年6月から関西電力の取締役会長。