阪神西勇輝投手が7回4安打無失点の好投で7勝目を挙げた。初回は打者3人を6球で片付け、テンポのいい投球を見せた。7回まで三塁を1度も踏ませず、危なげない投球でヤクルトの強力打線を封じた。「チームが勝ったことが大きい。ベストなピッチングができたというのが結果として出た」と納得の表情だった。

仲間へのケアも忘れなかった。ロドリゲスが、4回1死一塁の守備でもたつき、失策。一、二塁とピンチは広がったが、落ち着いていた。サンタナを見逃し三振。中村を遊ゴロで仕留めてベンチへ戻った時だった。ロドリゲスに駆け寄り、ロドリゲスの頭をやさしくぽんぽんとたたいた。新助っ人に気持ちの切り替えを促し、直後の特大ソロを呼んだ。矢野監督も「点が入ってからも丁寧に丁寧に投げてくれたのでね。本当に申し分ないスタートを切ってくれました」と最敬礼だった。

○…才木が30日のヤクルト戦(甲子園)に登板しする。中13日で今季初のヤクルトとの対戦。「クリーンアップの人たちの前にランナーをためずに、しっかり打者に集中できる状態で迎えられたら。気にしすぎず、いつも通りの感じで投げられたら特に問題はないかなと」と冷静に話した。20年オフの右肘のトミー・ジョン手術を経て、復帰3戦目で2勝目を狙う。

○…渡辺が2/3回を無安打無失点で抑えた。8回1死から左打者対策でマウンドに立った。山崎をスライダーで空振り三振、続く代打内山壮も空振り三振に斬ってガッツポーズだ。「加治屋もしっかり1人抑えてくれたので、自分も0で後ろにつなぐ気持ちだけでした。また今日のような投球ができるように、しっかり準備します」。10試合連続無失点、防御率1・96と好リリーフを続けている。

○…加治屋がワンポイントで仕事を果たした。4点リードの8回に2番手で登板。塩見を3球で追い込み、最後は低めのフォークで空振り三振。1死を取り、お役御免となった。「久しぶりのマウンドでしたし、打者1人だったので、とにかく全力で腕を振ることを意識しました。しっかり自分のボールを投げることができました」と振り返った。

○…梅野が攻守で光った。守ってはマスクをかぶって無失点リレーを演出。バットでは先頭の2回に小川から左前打を放ち、7回にも中前打とマルチ安打をマークした。チームは2試合連続の完封勝利。梅野は「みんなが『やってやるぞ』と向かっていった結果。完封リレーが出来たということは自分にとってもひそかに喜びたい」と充実感を漂わせた。

▼阪神が球宴を挟んで4連勝。7月の阪神は13勝5敗となったが、13勝のうち半分以上の7勝を完封でマークし、今月のチーム防御率は1・17。月間7完封以上は13年4月に阪神が7完封して以来、9年ぶり。暑さが厳しい7月か8月に月間7完封以上は92年8月の巨人以来となり、暑さに加えて球宴があって試合数の少ない7月に記録するのは65年阪神以来、57年ぶりと珍しい。

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