楽天田中将大投手(33)が危機的状況を救った。序盤は「手応えがなかった」というが、それでも3回まで1安打無失点。最初のピンチは4回2死一、三塁、日本ハム清宮の打席だった。カウント2-2から、151キロの直球で球宴MVPを空振り三振に斬った。「自分にとっても、あの1球でフォームがかみあった」。7回まで無失点投球を続け自身6勝目は、チームにとって大きな1勝だった。

試合前、石井GM兼監督が新型コロナウイルス陽性者と接触のため自主隔離となり、真喜志ヘッドコーチが代行監督として指揮を執った。登板への影響は「特にない」と語ったが、敗れれば貯金は0に。最大18から貯金が消滅すれば、史上初という大ピンチを迎えていた。

序盤はゴロアウトで仕留め、清宮の打席を潮目に三振を積み上げると、終わってみれば7奪三振。「いつもいつも調子がいいわけじゃない。そういう中でどういうピッチングを組み立てて行くかが大事」と、直球を軸にフォーク、スライダーでバットを誘い出し快投を演じた。

この試合のウイニングボールは代役指揮官に手渡したが、石井監督は結果的に陽性となり、しばらくは指揮官不在の状況が続くことになる。試合後のお立ち台、埋め尽くされたスタンドに向かって、呼びかけた。「なかなかチームが波に乗れない時期が続いていますけども、絶対に優勝したいんで、チーム一丸となってまたここから頑張っていきます。みなさんもついてきてください」と大号令。これ以上ないリーダーシップを発揮したマー君とともに、楽天は後半戦を戦い抜く。【栗田成芳】

 

○…島内が先制パンチを見舞った。初回2死一塁、左翼線適時二塁打で先制点をたたき出した。石井GM兼監督が自主隔離し、代行で指揮を執った真喜志ヘッドに向け、試合中の談話で「真喜志さん勝ちましょう。監督が帰ってきたら僕がしっかり休みます」と珍エール。お立ち台では、35番ではなく村林の66番のユニホームで登場し「僕もヒーローになると思わなかったので、村林のユニホームできちゃいました」とワールド全開だった。

 

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