阪神が珍しい形で追加点のチャンスを逃した。

1点リードの7回1死一塁。8番梅野隆太郎捕手が遊撃へのゴロを放つと、これを巨人北村拓己内野手(26)が二塁へ転送し、きわどいタイミングでフォースアウトの判定となった。

二塁吉川はすぐさま一塁へ転送し併殺を狙いたいところだったが、一塁走者熊谷敬宥内野手(26)の二塁へのスライディングの影響で、一塁送球できなかった。熊谷は勢い余ってベースを越え、吉川と接触するような形となっていた。

これにまず、阪神矢野燿大監督(53)がリクエストを要求。その後、立て続けに巨人原辰徳監督(64)からもリクエストが要求され、1つのプレーで両軍から「ダブルリクエスト」される、珍しいシチュエーションになった。矢野監督は二塁フォースアウトの判定について、原監督は熊谷の走塁について、判定を問うものだった。

木内球審は場内アナウンスで「はじめに矢野監督からリクエストがありました、セカンドのタイミングはアウト。その後、原監督からもセカンドのスライディングに対して、リクエストがありました。一塁走者の二塁でのスライディングを危険なスライディングとみなし、ボナファイドルールを適用し、打者走者もアウトとし、3アウトになります」と説明。当初の判定通り、熊谷は二塁フォースアウト。また、打者梅野は「ボナファイドルール」適用により、アウトとなった。梅野は遊ゴロの扱いで「併殺打」とは記録されず、守備側に「併殺」の記録がつくとアナウンスされた。

 

◆ボナファイド 英語でbona fideとは「正しい」の意味。ボナファイド・スライディングは「正しいスラインディグ」。スライディングは終了後、本塁を除いて、ベース上にとどまろうとすることが求められる。