阪神伊藤将司投手(26)は「甲子園10連勝」に挑戦する。29日は本拠地でブルペン投球を行い、31日広島戦で予定される先発に向けて準備した。特別なマウンドになる。自身は昨年9月1日中日戦以降、甲子園で9連勝中だ。験のいいデータに触れ、力を込めた。

「甲子園はいい成績なので、それが続けばいい。いつも通り、自分の低めに投げてゴロアウトを取るのは変わらずに投げたい」

前回の24日DeNA戦は申告敬遠後、桑原に決勝満塁弾を浴びた。自身は7連勝後の3連敗中。足踏みが続くが「点は取られていますが、あんまり悪い状態ではない。すぐ切り替えはできています」と言う。長丁場を戦う心構えが備わる。

阪神では井川慶が03年から04年にかけて甲子園9連勝の例はあるが、上回るチャンスだ。今季は聖地7戦6勝。防御率0・95と無敵だ。広島とは今季初戦の3月30日以来の対決。その前回は7回途中6失点でKOされただけに警戒する。「(米球界から)秋山さんも入ってきてチームも違う。意識しながら投げたい」。体調不良だった秋山は再合流。細心の注意を払って抑えにいく。

2年連続2桁勝利まであと2勝だ。2年目のジンクスとも無縁の一因は、速球の強さにある。「ストレートのヒットの打率も結構、低い。自信を持って投げていける。インコースの真っすぐがあるからツーシーム、チェンジアップも効いてくる。幅が広がっている」。得意の聖地で再加速を期す。【酒井俊作】

 

○…矢野監督はマルテの1軍昇格を明言した。右足のコンディション不良で2軍調整中だった助っ人について「上げようかなと思っています」と明かした。マルテは27日に行われた2軍交流戦の巨人戦に「3番一塁」で出場。ソロ本塁打を含む2安打、3打点を記録していた。7月14日に出場選手登録を抹消されたが状態を整え、8月は2軍戦6試合で14打数6安打、2本塁打、6打点と好調。井上ヘッドコーチは「最初はベンチで、いいところの代打要員みたいな。そんな感じでいこうかな」と説明。まずは代打の切り札としてスタンバイする。

○…今季3勝の才木が後輩のルーキー森木に刺激を受けた。投手指名練習に参加した右腕は「森木を見てると何かレベル違うなと思います。すごい現代の高校生感はありますね」と同じく高卒でプロ入り、初登板で好投した後輩に驚いた。自身は中10日で1日広島戦に先発見込み。「ランナーを出しても、スコアリングポジションに行ってもしっかり0点で帰ってこられるように意識したい」と意気込んだ。

○…井上ヘッドコーチが甲子園に戻ってきたナインにハッパをかけた。「我らの庭っていうのはやっぱり甲子園だから。そこでの奮起というのは俺らもやっぱり気分が違う。もうひと踏ん張りせなあかんよって促すにはちょうどいいタイミングかなと思う」。今季も勝ち星が先行しているホームはやはり特別。残り16試合となった甲子園での戦いを頭に描き、「地の利を本当に生かせる9月に。9月はセプテンバーか? グッドラック(幸運の)セプテンバーにせなあかんな」と力を込めた。

▼阪神の優勝は最短で9月6日に消滅する。首位ヤクルトが8月30日からの6試合に全勝し、次戦以降の21試合に全敗すれば、最終成績は74勝68敗1分けで勝率5割2分1厘。阪神は同じ期間に7戦全敗なら、次の試合から15戦全勝しても73勝68敗2分けで5割1分8厘に終わり、ヤクルトを下回るため。

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