日立製作所がエイジェックを投打で圧倒し、4大会ぶり13度目の社会人日本選手権(10月末開幕、京セラドーム大阪)の出場を決めた。

初回1死二、三塁から4番・大塚直人外野手(33=東海大)の左前適時打で先制。5回には、2四球に3安打、本盗で得点するなど機動力も絡め、この回3点を挙げ突き放した。

投げては先発の左のエース・岡直人投手(25=徳山大)がキレのある真っすぐを軸に、スライダー、カットボール、ツーシームと変化球でコーナーを丁寧について、5回まで1安打無失点。6回に3連打と四球で2失点するも、安定した投球で6回1/3を4安打2失点で勝利に導いた。

「都市対抗1回戦ボーイズの意地を見せて、日本選手権に行く」がチームの合言葉だった。今年の都市対抗野球大会では、初戦の日本新薬戦で、守りのミスから失点し3-5で敗戦。和久井勇人監督(60)は「1球1球が局面を変える、と意識した練習をしてきました」と振り返る。

岡は「自分は立ち上がりが課題だった。初回から100%の力で投げることを意識して練習してきました」と、この試合も初回から直球を力強く投げ込み、先頭打者から三振を奪って波に乗った。「今までは制球力重視で投げていた。今日は大胆に投げられた。引き続きやっていきたい」と、手応えをつかんだ。

都市対抗野球での悔しさを糧に、チームは成長した。和久井監督は「意地を見せてくれましたね」と選手たちの奮闘をたたえた。日本選手権でのチームの最高成績は8強。「都市対抗1回戦ボーイズ」が、日本一へ向け、力強く踏み出した。【保坂淑子】