楽天が、伏兵たちの逆襲で逆転劇を演出した。4回に茂木栄五郎内野手(27)が7号逆転2ラン、さらにホセ・マルモレホス外野手(29)が7号ソロで続き、2者連続本塁打でたたみかけた。2桁安打で約4カ月ぶりの先発となる涌井を援護し、ソフトバンクから2連勝。チームは5カードぶりのカード勝ち越しで、1歩前進。順位は4位のままだが、2・5差に4チームひしめく“大混パ”を下から突き上げる。

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点火した楽天打線が、勢いそのままに打ち上げた。2点を追う4回。1死から連打と鈴木大の犠飛で1点差とし、なお2死三塁の場面だった。6番茂木は狙っていた。打席に入る前、炭谷から「がっついていけ!」と背中を押された。初球の直球を見送り、2球目。連続で高めにきたカーブを捉えた。「アドバイスいただいた通りに、がっつきにいきました」。左翼ホームランテラスへ、7号逆転2ランを運んだ。

さらに続いたのは、7番マルモレホスだ。カウント2-2と追い込まれながら、ファウルで粘り6球目のカットボールを捉えた。練習では、打席での自身の目線やいい時のリズム、感覚を擦り込ませてきた。右翼ポール際にライナー性の軌道で運び、突き放した。この回4安打4点の固め打ちで、ソフトバンクの先発レイをマウンドから引きずり降ろした。

終盤の7回、8回にも追加点を挙げ、首位ソフトバンクを圧倒した。8番太田を含む6~8番の3人で5打点。上位で走者をため、下位打線でかえす厚みのある攻撃を展開した。追う展開から、逆転劇を演出。右手中指骨折から復帰し、約4カ月ぶりに先発した涌井に白星をプレゼント。石井GM兼監督は「茂木があそこでなんとかひっくり返して、マルモがその後もう1点リードを広げてくれた。すごい大きかったし、太田も頑張ってバットの方でも結果を出してくれた」と、激賞した。

5カードぶりのカード勝ち越しを決め、10日からは本拠地4連戦を迎える。首位と2・5差。残りは19試合。同監督は「誰も(優勝)諦めてないですよ、もちろん。それがあるからみんな死に物狂いでやってくれてるし、チーム一丸となってできてる。そこは引き続きやっていきたいと思います」と語気を強め、ホームでの戦いに目を向けた。【栗田成芳】

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