広島森下暢仁投手(25)が5回1/3を投げ7安打6失点で、自己ワーストとなる8敗目を喫した。1回、5回、6回と味方の援護直後に失点。4-3の6回は1死一、二塁から梅野に右中間へ2点適時二塁打を浴びた。3度のリードを守り切れず、逆転負けした。3位阪神とのゲーム差は2に広がり、5位転落。クライマックスシリーズ(CS)進出争いから1歩後退した。

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サインに首を振って投じた直球が浮いた。広島が3度目のリードを奪った6回。森下は1死から連打で一、二塁のピンチを招いた。梅野を追い込んでからの6球目真っすぐは、捕手会沢が構えたミットより高めに入った。捉えられた打球は右中間を破り、2人が生還。逆転を許した。この日初めて阪神にリードを許し、マウンドを降りた。「(球種は)どれも微妙という感じでした。それでも何とかしないといけない」。5回1/3で7安打6失点。敗戦の責任を背負い、険しい表情を崩さなかった。

中5日での先発。変化球の精度を欠き、立ち上がりから直球中心の組み立てとなった。2点を先制してもらった1回は先頭の連打から2点を失い、再び1点を勝ち越した5回も先頭梅野の二塁打から同点に追いつかれた。決勝打を浴びた6回を含め、味方が得点した直後に失点。3度のリードを守れず、自己ワーストを更新する8敗目を喫した。

勝ち越した6回の攻撃時、1死一塁から森下をそのまま打席に送った佐々岡監督は「味方が点を取った後に取られるというのは流れが悪くなる。2回以降は持ち直した感じがしたんですけど」と振り返った。本調子でない中でも6回のマウンドを託したが、裏目となった。8月16日の中日戦で自己最多10勝目を挙げた後、登板4試合勝ち星なしと苦しんでいる。

チームは3位阪神に逆転負けし、ゲーム差は2に広がった。さらに巨人に抜かれ、5位に転落。CS争いから1歩後退した。残り8試合は変則日程となり、森下はまだ2試合に先発できる。「何とか残り試合投げさせてもらえるところで結果を残したいと思います。それだけしかないです」。やり返すチャンスも、順位を逆転する可能性も、まだ残されている。次回登板予定は、1週間後の21日、再び甲子園での阪神戦だ。【前原淳】

○…西川が一時、勝ち越しとなる10号ソロを放ち、2年連続3度目の2桁本塁打に乗せた。2-2の5回1死。カウント2-1から伊藤将の内角直球を右翼席に運んだ。「しっかり振り抜くことができた。また明日からも頑張ります」。秋山不在の余波で5戦連続3番起用。その間23打数11安打と役目を果たしている。

○…6戦ぶりスタメンのマクブルームが約2カ月ぶりの猛打賞で応えた。1回1死一、二塁で左翼線へ適時二塁打。3回2死では中前打を放ち、2点を追った7回2死二塁では右中間へ適時二塁打を放ち、1点差に迫った。「チームが負けて(前向きな)感情は少ない。勝つことだけを心に持って取り組みたい」。代打に甘んじていた主砲が7月16日以来5度目の猛打賞。再上昇の光が見えた…

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