2日連続のアクシデントもなんの !  ソフトバンクが5月以来、今季3度目の6連勝を決めて優勝へのマジックを9に減らした。「荷物遅延」で打撃練習ができなかった前日に続き、この日は先発投手がアクシデントで急きょ変更。予告されていた奥村が右肘負傷し森に代わったが、柳田悠岐外野手(33)が初回の20号先制3ランで苦境を救った。3年連続6度目のシーズン20本塁打に到達した主将。何度もV争いを経験してきた男が、最終盤戦をけん引していく。

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柳田の描いたアーチが、チームを優勝へとグッと近づけた。初回1死一、二塁。楽天涌井のカットボールを右翼スタンドへ。「少し詰まりましたが、いい押し込みができたと思います。大事な先制点を取ることができてよかったです」。涌井からは、今季3度目の対戦で3発目とキラーぶりを発揮。先発投手が急きょ変更になるアクシデントもあり、不安のあった立ち上がりで、勇気をもたらした。

何度も優勝争いを経験してきた。チームは前日15日に今季初めて優勝マジックを点灯させた。それでも「1戦1戦というのは変わらない。大変ですけど、(4位だった)去年は味わえなかった大変さなので。感謝しながらやりたい」と冷静に、正念場でのプレーを楽しんでいる。5回には背中に死球を受け「痛い!」と大きな声を出して顔をゆがめたが、気合でグラウンドに立ち、仲間を引っ張り続けた。

今季は「40本塁打」を目標に掲げてきたが、なかなか打撃の状態を上げられなかった。4月に左肩痛、8月に新型コロナ陽性で2度の離脱もあり、ここまで月間最多は23試合に出場した5月の5本塁打にとどまっていた。一転、9月はまだ13試合目にしてこれが早くも4本目。「なかなか思うように結果が出なかったが、終盤戦になって20号と結果として出てきてチームを勝ちにつなげられたと思います」。勝負どころで、いよいよ量産態勢に入ってきた。

チームは5月以来今季3度目の6連勝。「ヤマ場」だった11連戦は、4試合を残して勝ち越しが決まった。藤本監督は「一番しんどいところ、地獄の11連戦とか魔の11連戦とか言ってたところでね。すごく大きいですね」と胸をなで下ろした。優勝マジックは9に減った。「(マジックを意識は)しない。相手があきらめるまではしません。どこもあきらめないでしょ」。数字に踊ることなく、目の前の一戦を全力で取りにいく。【山本大地】

▽ソフトバンク甲斐野(5回から3番手で1回0/3を無失点。今季2勝目) とにかく与えられた場所で役割を果たすことができて良かったです。チームが勝てたことがすべてです。

○…アルフレド・デスパイネ外野手が豪快な11号3ランで、とどめを刺した。3-2の7回2死一、二塁で左越えへ。「投手陣が頑張っている中で、何とか追加点という気持ちだったよ。いいスイングで捉えることができた」。ここ5試合で7打点と勝負強さを発揮。優勝争いの中で大砲が頼もしい。

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