4番サード安田、決勝の3ラン含む5打点の大活躍-。ロッテが描いてきた未来図の正しさを示した。プロ5年目の秋、安田尚憲内野手(23)はいい顔で、胸を張った。

「こういう勝負どころで今年、全然打ってこれてなかったので。今年というか、1軍に入ってきてこういう場面でホームラン初めてだったので」

うれしかったです、と素直に言った。8回にミスで失点し、9回に追いつき、なおも2死二、三塁。石川直の浮いたフォークを力強く右翼席へ自己最多タイ8号弾を放り込んだ。球場のわずか一角、黒をまとうロッテファンのもとへ落としたのがまた、役者だ。

2年前、シーズンの多くで4番を任されながら、2割2分1厘、6本塁打に終わった。辛抱強く起用した井口監督に応えられない日々。マーティンから「打席で自信のない姿を見せるな」と指摘されるほど、弱く見えていた。4番での1発は20年5月14日以来、約2年4カ月ぶり。当時とは勝負強さも飛距離も違う。

どうしても同世代のヤクルト村上や日本ハム清宮と比べられる。「清宮も最近爆発してるんで、自分も負けないようにというのはありました」。18日現在で村上は55本、清宮は17本。安田も勢いなら負けない。「上を目指すためにも、一戦も負けられないと思うので」。指揮官を「頼もしくなってきますね」とうならせたひと振りで、まずは4位西武と1差に。10月戦線へかっ飛ばす。【金子真仁】

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