ソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が「糸井魂」で、優勝争いの最終盤戦を戦う。

長年、自主トレで師事してきた阪神糸井嘉男外野手(41)が今季限りで現役を引退。前日21日には引退試合を行った。「結果を出すことが恩返しになる」と、感謝の思いも胸に、チームを頂点に導く。22日はペイペイドームで全体練習を行い、23日ロッテ戦に備えた。

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柳田は福岡市内の自宅で、テレビ越しに師匠の最後の姿を見つめた。「もう糸井さんのプレーを見るのも最後かと思って、しっかり目に焼き付けました」。引退発表前には直接の連絡をもらい、言葉を交わしたという。尊敬する「超人」との思い出をかみしめるように、静かに振り返った。

糸井に志願して14年1月から弟子入り。長年、自主トレをともにしてきた。柳田が球界を代表する選手になった今でも、感謝の思いが尽きない恩人だ。「いろいろ教えていただいた。結果を出すというのが一番の恩返しになると思う。まずは結果を出すことですかね」と、プレーする姿で恩返ししていく。

糸井からの数々の教えでも、柳田が最も大事にしていることがある。「やっぱり練習することじゃないですか。ああいう人でもめちゃくちゃ練習していたので。それが一番、ぼくの中では大事なことかなと思います」。多くのケガを抱えながら、40歳を超えるまでプレーを続けた大先輩の姿を見習い、この日も熱心にバットを振った。

チームは9試合を残し、激しい優勝争いのまっただ中だ。これまで何度も、正念場の戦いを味わってきた柳田は「1戦1戦、必死に勝ちに行くという気持ちです。緊張感はもちろんありますけど、いざプレーするときは普段と変わらない。いい緊張感でやれています。それが味わえてるのはいいこと」と、前向きに楽しみながら、日々を過ごしている。

師匠の糸井を思わせるような「超人的」な心持ちもプラスに働きそうだ。「なるようになる。それは本当に思っています。優勝したいという気持ちを強く持つのも大事だけど、相手がいるスポーツなので。後は必死にプレーするだけ」。極限のプレッシャーがかかる最終盤戦でも冷静。百戦錬磨の主砲が、チームを頂点に導く。【山本大地】

 

ソフトバンク藤本監督は、自力で優勝マジックを減らす意気込みだ。ペイペイドームでの全体練習を見守り「オリックスが全部勝つと思って戦わないとね」と話した。残り9試合、優勝を争うオリックスとの直接対決は残っていない状況。「星を見ながらやっている余裕はない。もう頑張るしかないもんね。1試合も負けられんしね。選手はそういうことを考えんと、1打席、1球に集中してくれたら」と気合十分だった。

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