巨人大勢が、鋼メンタルで新人セーブ記録に並び、輝かしいルーキーイヤーを締めた。

2点リードの9回に登板も、先頭のDeNA柴田から連打で無死二、三塁。一打同点の大ピンチで開き直った。「変に意識してしまったけど、これじゃダメ」とDeNA山崎、広島栗林に並ぶ、新人歴代最多の37セーブへの意識を捨て、打者1人に真っ向勝負する本来のスタイルに原点回帰した。味方のミスで失点も動じず、2死二、三塁から桑原をフォークで空振り三振。37セーブ目を豪快なガッツポーズで喜び、最終戦を白星で終えた。

修羅場でも動じない精神力の裏には幼少期から母いずみさん(55)に言われてきた魔法の言葉がある。「大層大層いわない!」。転んでも、失敗しても大したことはない。特大のスケールで育てられてきた。生後半年で川崎病と診断され、心臓や血管には後遺症の不安もあったが、母校・西脇工時代の恩師・木谷監督も「どこの心臓が弱いんですかね。3本ほど毛抜いて来てください」というほどのずぶとさだった。

今やプロの舞台でも堂々たる振る舞いを見せる。「川崎病で両親も心配したと思う。野球をして、結果を出している姿で少しは恩返しできたかなと思う」と感謝。「現状に満足せず、オフシーズンをしっかり過ごして、2年目のジンクスに負けないようにやっていきたい」とすぐに前を向いた。見据える先はもっともっと高い。【小早川宗一郎】

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