亜大が駒大に12安打9得点で先勝した。

ドラフト候補に挙がる田中幹也内野手(4年=東海大菅生)が3安打2打点をマークし、打線をけん引した。4盗塁も決めて大学通算盗塁記録を47に伸ばし、駒大・野村謙二郎(元広島)が持つ最多記録の52にあと5つに迫った。「今日は出来過ぎかな、というのがあるので。これを継続していけたらと思います」と笑顔をみせた。

田中幹は盗塁の極意について「度胸だと思うので。そこで自信をなくしたらスタートを切れない。まず自信を持つことだと思います」。7回には、2死二塁から駒大3番手でリーグ戦初登板の石川永稀投手(1年=東海大相模)から中前打で出塁。カウント2-1からこの日2個目の盗塁を決めた。「相手投手も初登板。経験がない投手だと思ったので、そこまで(けん制も)うまくはないだろう、と自分の中で割り切っていた。それが良かったと思います」と振り返った。

初対戦の投手でも、背景まで頭に入れ試合に臨む。生田勉監督(56)は「彼(田中幹)が走らないとチームが乗ってこない」とし、「(塁に)出たら好きに走れ」とすべてノーサインだったことを明かした。

このカードを落とすと、最下位争いも見えてくる厳しい展開の中で、主将として勝利に導いた田中幹。「記録のためにやるわけではないですが、自分が(塁に)出て走るというのは、このチームが勢いづく。これからの試合でもやっていきたいです」。最終戦まで、チームのために走り続ける。【保坂淑子】