3部1位の北海道文教大が2部6位の小樽商大を2-0で下し、2勝1敗で初の2部昇格を決めた。

今春、18年春まで東海大北海道を指揮した高橋葉一氏(57)が監督就任。新体制1年目で、まず第1目標をクリアし「初めて神宮出場を決めたときぐらいうれしい」と目を細めた。

意識付けからのスタートだった。高橋監督は「当たり前のことをすることが勝つことに通じる」と、迅速なボール拾いや、返事や礼儀作法など基本的なことから、細かく指摘し続けた。「半年で、よくここまで成長した。人数が少なかった分、浸透力があったのかもしれない」と振り返った。

女性1人含め13人という少人数の中、限られた戦力を効果的に生かした。春にいきなり3部優勝も入れ替え戦2連敗。この日3安打完封の芝田脩平投手(1年=北照)は入学時、遊撃手だったが投手不足で春のリーグ戦途中から投手を兼務した。春の敗戦を経て同監督から「直球の精度を上げ決め球を磨こう」とピンポイントで助言を受け、中学で使っていたスライダーを微調整。北照では選手層が厚く公式戦登板のなかった選手が、入れ替え戦2戦連続完投勝利を挙げた。

先制の生還を果たした舘大雅二塁手(2年)は旭川大高元主将。高橋監督就任を機に2年春から入部した。高3時はコロナ禍で甲子園がなかった世代で「やっぱり真剣に勝負するって面白いです」。来春の入部希望者は増えており、本格強化はここから。次は激しい部内競争でレベルを上げ、2部優勝と1部昇格を引き寄せる。【永野高輔】