広島が今季まで阪神で打撃コーチを務めていた新井良太氏(39)を2軍打撃コーチとして招聘(しょうへい)することが17日、分かった。阪神では2軍育成、2軍打撃、1軍打撃コーチを歴任。豊富な指導力に加え、二人三脚で指導にあたった大山を虎の主砲に育て上げた実績などを買われた。人望も厚い良太氏が兄の貴浩新監督と、9シーズンぶりに同じユニホームに袖を通す。

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再び同じ勝負服を身にまとう。23年からの新井新体制の2軍スタッフとして、22年まで阪神で打撃指導にあたってきた新井良太氏が広島で打撃コーチを務める。兄弟である2人の登用は、深く円滑なコミュニケーションにつながる。前日16日に明らかになった藤井彰人氏のヘッドコーチとしての招聘に続いて、再び球団OBでない外部からコーチを起用することになった。

新井良太氏は05年に大学・社会人ドラフト4巡目で中日に入団。10年オフにはトレードで阪神に移籍した。17年に現役引退後、18年は阪神で2軍育成コーチ、19年からは2軍打撃コーチで20年から22年までは1軍打撃コーチと指導者を歴任してきた。1、2軍を問わず指導経験は豊富。将来的な4番候補を育てる2軍コーチとして最適だ。現役時代は阪神で4番を務めた経験も併せ持つ。さまざまな視点からものを言えるコーチとして、期待される。

経験だけでない。指導実績も豊富だ。阪神打撃コーチ在任時に指導した大山は3年連続20本塁打&70打点をクリア。二人三脚で歩み、虎の主砲に育て上げた。広島は今季新助っ人のマクブルームが主に4番を務めたが、和製大砲の育成は課題の1つだ。

まだ39歳と若く、選手と似た価値観を持てることも、2軍指導に関しては大切な要素の1つとなる。人望も厚く、寄り添った指導は選手からも信頼を得ていた。

新井カープは長期にわたった指導・育成を期待されている。2軍コーチとして背負う責任も、役目も大きなものが存在する。外部からの登用となったが、地元広島広陵出身で指導経験も豊富。新たな視点から次世代の主砲育成にあたる。

◆新井良太(あらい・りょうた)1983年(昭58)8月16日生まれ、広島県出身。広陵-駒大を経て、05年大学・社会人ドラフト4巡目で中日に入団。10年オフ、水田圭介内野手との交換トレードで阪神移籍。12年8月9日巨人戦で、阪神第93代の先発4番となった。以後13年の開幕ヤクルト戦など、合計54試合でスタメン4番。現役時代は188センチ、99キロ。右投げ右打ち。17年限りで引退した後は、阪神でコーチを務めた。

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