東芝・吉村貢司郎投手(24=国学院大)が、ヤクルトの1位指名を受けた。社会人3年目らしく、会見では堂々かつ丁寧に受け答えをしていたが、表情が崩れた瞬間があった。この日1日をどう過ごしたか、問われたときだ。

「練習試合があったので、その準備をして、その後にドラフトを待った感じでした」と答えた後、練習試合の登板結果を問われた。「6回を投げて4失点しました」と明かし、人懐っこく笑った。「試合には集中してたんで」とドラフトの影響は否定すると、会場にほんわかした空気が流れた。

大学時代に続き、指名解禁となった昨秋も名前は呼ばれなかった。技術面だけでなく、メンタル面も周囲の多くの人たちの支えがあった。「いろんな方に支えられているなと思います。平馬監督。スタッフ。先輩方。大学の方々。いろんな方からアドバイスをいただき、成長できました。誰か、ではないです」と全員に感謝した。

高校は東東京の日大豊山。東都リーグで戦った大学だけでなく、高校時代から慣れ親しんだ神宮球場のヤクルトから指名された。「ゆかりがあります。また、そこでできる。うれしいですし、ありがたいです」と縁にも感謝した。

○…ヤクルト高津監督 投打ともに、高校生、大学生、社会人と、すごくバランス良く交渉権を獲得出来たとところは、非常に満足出来るドラフトだった。来年、再来年だけじゃなく、その先のスワローズを引っ張ってくれる5人だと思っています。数年後にチームの中心となって活躍してくれるんじゃないかなと。点数はつけられないですが、非常に満足しております。

○…4位知内・坂本投手 指名を受けた瞬間、満面の笑みを浮かべた。同校初、離島の北海道奥尻町出身では元阪急、オリックスの佐藤義則氏(68)以来46年ぶりとなるプロ野球選手の誕生。「支えてくださった島の方にも恩返しができたらいいな」。部員らに胴上げされた後、さっそくヤクルトを飲み干し「おいしいです」と笑った。

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