日本シリーズ2連覇へ、ヤクルトが劣勢の展開から延長12回引き分けに持ち込んだ。

3点を追う9回裏、日本シリーズ初打席の内山壮真捕手(20)が起死回生の同点3ランをたたき込んだ。無死一、二塁、2ボール2ストライクから高めに入ったオリックス阿部の141キロの直球を左翼席に運んだ。

「自分の仕事は山田さんと村上さんに良いカタチでつなぐことだったので、簡単に追い込まれてしまいましたが、くらいついて打ちました。良い角度であがってくれました」

土壇場で追い付き、延長戦に突入。勝てなかったが、貴重な引き分けをつかんだ。

序盤は劣勢だった。先発のサイスニード投手(30)が3回1死三塁からオリックス先発の山崎福に先制適時打を許すなど、4回6安打2失点で降板。昨年のシリーズはコンディション不良や家庭の事情で帰国していたため、待望の日本シリーズ初登板だった。「最少失点でという気持ちだったが、粘り切れずチームに勢いをつけることができなかった」と反省。中継ぎ陣は6回以降、石山、今野、マクガフ、清水、田口、木沢と無失点でつなぎ、12回まで追加点を許さなかった。

打線は小刻みに継投したオリックス投手陣を打ち崩せず、8回までは無得点だったが、終盤に粘りを見せた。前夜1号ソロをマークした4番村上宗隆内野手(22)に2試合連続の1発は出なかったものの、伏兵内山壮に「村神様」もびっくりの本塁打が飛び出した。

1勝1分けで、25日の第3戦からは、舞台を京セラドーム大阪に移して3試合が行われる。

日本シリーズの引き分けは、2018年の第1戦で広島とソフトバンクが12回まで戦い、2-2で引き分けて以来4年ぶり。

日本シリーズは、第7戦まではレギュラーシーズン同様、延長12回まで。第8戦以降は延長回の制限はない。

▽ヤクルト高津監督(内山壮の同点弾に) すごく冷静にキャッチャーらしいというか、しっかり配球を読みながら相手の持ち球を頭に入れて打席に立つことが彼は多い。駆け引きができる打者だと思います。

○…第1戦で決勝弾を放った塩見泰隆外野手は、この日もリードオフマンとして機能した。3回の第2打席以降は2安打2四球で4打席連続出塁。四球を選んだ9回に内山壮の同点3ランで生還した。「昨日のホームランは出来過ぎだった。打った次の日はちょっと気持ちが緩みがち。コンパクトに打席に入るのを心掛けたい」と話し、派手さはなくとも着実に貢献。延長10回2死一、三塁で凡退した際は悔しそうな表情を浮かべた。

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