オリックスが総力リレーでドローに持ち込んだ。「SMBC日本シリーズ2022」第2戦は先発の山崎福也投手(30)が先制打&4回無失点と投打に躍動。勝利目前だった3点リードの9回に5番手・阿部翔太投手(29)が同点3ランを浴びるまさかの展開になったが、延長12回までリリーフ陣が無失点で粘り抜いた。

これで対戦戦績は1敗1分け。本拠地・京セラドーム大阪に移る25日の第3戦から巻き返しを期す。

   ◇   ◇   ◇

まさかの飛球が神宮の夜空に上がった。3点リードの9回無死一、二塁。左翼席への着弾を見届けると、マウンド上の阿部は両膝に手をついてうなだれた。

今季44試合に登板して防御率0・61。守護神の平野佳に代わり、最終回を任されるまで成長を遂げた。ペナントレースでの自責点は3点のみだった阿部が、一気に3点を奪われて同点に追いつかれた。

中嶋監督は「これがシリーズなんでね…」と言葉を絞り出した。ガッツあふれる2年目右腕には「うん。打たれましたけど、打たれたよりも、次またやり返すことを期待する。切り替えですね。そこだけが大事になる。このままでは終われないと思う」と背中を押した。

勝ち越しのチャンスは最後まであった。延長12回2死から代打頓宮が左安打で出塁すると、代走の佐野皓がヘッドスライディングで二盗に成功。続く打者紅林の際に、相手のバッテリーミスで、佐野皓は一気に本塁へ。勝ち越しか…と思われたがボールが一塁側ベンチに入ってボールデッド。佐野皓は瞬時に三塁に戻された。紅林が四球を選んでチャンスは続いたが、伏見はバットを折られて三直に倒れた。

運にも見放され勝てなかったが、総力リレーで連敗も阻止した。先発山崎福が4回無失点でバトンを託すと、山崎颯、宇田川、ワゲスパック、阿部、本田、比嘉、近藤と計8投手をつぎ込んだ。ブルペンに残ったのは黒木と小木田のみ。必死の継投でドローに持ち込んだ。

神宮では1敗1分け。第3戦は25日に京セラドーム大阪に舞台を移す。指揮官は「もう1回やっていきます」と力を込める。本拠地のファンとともに、巻き返しに出る。【真柴健】

○…紅林弘太郎内野手が“イチロー超え”を果たした。3回先頭打者で右翼への二塁打を放ち、その後先制のホームを踏んだ。4回にも右翼へ二塁打を放ち、初戦に続いてマルチ安打。これで、昨年と合わせて日本シリーズ通算11安打。球団名がオリックスとなった89年以降では、イチロー、田口、小川の10安打を上回り、単独最多となった。中嶋監督は「うん、そう(いい働き)ですね」と評価した。

【関連記事】オリックスニュース一覧>>