新監督に就任し10月1日から江別市内のグラウンドで指導を開始した。今秋の札幌6大学3部4位。ここ10年、野球経験のある指導者もおらず、学生主体で活動してきた。プロや社会人野球を目指す選手がいるわけでもない。野球がやりたくて集まった11人の選手を前に「予想以上に雰囲気はいい。まず基本。キャッチボールと走ることの大切さと礼儀を学んでもらえたら」と思いを口にした。

高鍋高(宮崎)主将として83年夏の甲子園に出場。法大主将としては4年秋の東京6大学優勝を経験した。社会人では北海道拓殖銀行(92年からたくぎん)の外野手として都市対抗野球に8度(補強選手含む)出場した。96年に引退後、98年から保険会社のサラリーマンに転身すると「言葉遣いなど、学んできたと思ったことが、出来ていないことを思い知らされた」と言う。

営業で「自分の話ばかりしていて相手の考えを聞いていないことを気付かされた」。保険会社で13年働き、12年から今年6月まで約10年、札幌市内で飲食店を営んだ。馬刺しやもつ鍋などが人気で、プロ野球関係者も訪れた。「おいしいものを出すのは当たり前。雰囲気や接客が大事。いかに相手の立場を考えられるか」。コロナ禍の影響で店を閉めたが「すべていい勉強。野球でもまず、学生たちの考え方を認めるところから」。引退後の経験も、指導の糧にしている。

強化指定3年目の付属高、とわの森三愛が今夏、14年ぶりに南北海道大会に進出。今秋から帯広農を21年夏の甲子園に導いた前田康晴監督が就任し、強化が進んでいる。「ゆくゆくは付属高の卒業生が系列大に進んでくれるようになれば」。高校大学が連動した強化策で、13年以来の2部、そして将来的には、02年以来の1部復帰目指す。【永野高輔】

◆横山靖史(よこやま・やすし)1965年(昭40)4月10日、宮崎・都城市生まれ。高鍋3年で出場した87年夏甲子園では初戦で旭川龍谷に勝ち、2回戦でエース水野雄仁擁する池田(徳島)に敗退。法大では1年春からベンチ入り。1、2、3年春、主将として臨んだ4年秋の計4度、東京6大学野球優勝。88年から96年まで北海道拓殖銀行でプレー。都市対抗野球8度、日本選手権3度出場。173センチ。左投げ左打ち。