オリックスが3連勝で96年以来、26年ぶりの日本一に王手をかけた。日本シリーズの3連勝は同年の第1~3戦以来。昨年は王手をかけることなく、2勝4敗で敗れた。

初王手の心境を聞かれた中嶋聡監督(53)は「分からないです。明日負けたら向こうも王手だし、一緒じゃないですか」と変わらず冷静だった。

6回に均衡を破った。今シリーズ初めて1番に抜てきした先頭太田椋内野手(21)の左前打からチャンスを広げ、杉本裕太郎外野手(31)が先制右前打。9回にも敵失と代打西野真弘内野手(34)の右犠飛で2点を加えた。

中嶋監督は2安打の太田に「思い切りの良さというか、臆することなく振っていけるとチームに勢いがつく」と称賛。吉田正尚外野手(29)が敬遠された後の杉本の一打には「重圧はかかると思うが、打てば逆に点になる。もしかしたらそこがポイントになるかな」と主砲の後ろを打つ打者の重要性をあらためて説いた。

今シリーズ2度目の先発だった山崎福也投手(30)は初回先頭の1安打だけに抑える5回無失点。お立ち台にも上がった。オリックスは昨年から日本シリーズ12試合目で初めて先発投手に白星がついた。

エース山本由伸投手(24)が故障で投げられない苦境。山崎福は「いつも由伸に頼り切りのチーム。まわりでカバーして日本一にという気持ちがある」と語った。

中5日で好投した左腕に、指揮官は「よく投げてくれた。1イニングでも1つのアウトでも長く投げてくれたのは非常に大きい」と、ほめちぎった。

6回からは宇田川優希投手(23)平野佳寿投手(38)山崎颯一郎投手(24)ジェイコブ・ワゲスパック投手(28)と1回ずつつないで無失点リレーを完成させた。5投手で4四球は出したが、被安打はわずか1。ヤクルト打線を圧倒した。

第7戦は宮城大弥投手(21)がプロ初の中4日で先発する。2敗1分けの劣勢から盛り返したオリックスが26年ぶりのシリーズ制覇に挑戦する。

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